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中継、政務室から
チ「上手くいったと思うか?」
コンピューターを操作する手を一旦止めて、チョースがそう尋ねた。
彼は中央刑務所の別棟にある、特別房と呼ばれる場所にいた。
そこには政府が極秘に実験を進める研究室があり、囚人であるカンムと実験体であるユネストが共に収容されていた。
特別房の管理をする政府分室は政務室と呼ばれ、特別房に隣接していた。その施設にチョースは出向いて、一連の作業をしていたのだ。
ロサンゼルスに休暇旅行に行ったきり、ユースやレイクが帰ってこないので、残された人々は捜索に動き出した。だが情報収集をしようにも、海外の事なので一般的なやり方ではラチが開かなかった。
それでそれまで敵対していた人々が、協力を始めたのだ。大学と刑務所と張がお互いに情報を出し合い、人員を派遣して問題に当たった。
どのみち夏休み明けからは、彼らはチップの研究を合同で行うはずになっていた。少年達を共通の助手にして、ローテーションさせて情報を共有するやり方にしたのだ。
チョースが政務室にいたのは、そうした協力体制からいえぱ自然な事だった。
彼は何よりユース達を救出したい思いが強く、そのためなら何でもやるし、誰にでも協力するつもりだった。
政務室の責任者であるコメットも、非常事態に対して柔軟に動ける人間だった。
彼は政府だけの情報網では限界があるとすぐに判断し、張のアーサー会長に応援を要請した。
アーサーは合衆国政府の要人と親交が深く、民間の立場からも公的な立場からも動く事が出来た。今後の政府間の交渉では、彼のような立場の人間が重要な役割を果たすに違いなかった。
そのためオペレーター員がフル活動する政務室の中には、コメットの他にチョースやアーサー、アーサーの秘書のシーマがいた。そして特別房からカンムとユネストがやってきて、彼らの仕事に好きに意見を言っていた。
コメットはチョースにコンピューター操作をさせ、少年独自のやり方でロスアラモス研究所にアクセスするのを許した。
それはチョースみずからが志願したためだった。
彼は「反乱軍がよく使っている、情報介入のやり方が使える」と言ったのだ。
コンピューターを操作する手を一旦止めて、チョースがそう尋ねた。
彼は中央刑務所の別棟にある、特別房と呼ばれる場所にいた。
そこには政府が極秘に実験を進める研究室があり、囚人であるカンムと実験体であるユネストが共に収容されていた。
特別房の管理をする政府分室は政務室と呼ばれ、特別房に隣接していた。その施設にチョースは出向いて、一連の作業をしていたのだ。
ロサンゼルスに休暇旅行に行ったきり、ユースやレイクが帰ってこないので、残された人々は捜索に動き出した。だが情報収集をしようにも、海外の事なので一般的なやり方ではラチが開かなかった。
それでそれまで敵対していた人々が、協力を始めたのだ。大学と刑務所と張がお互いに情報を出し合い、人員を派遣して問題に当たった。
どのみち夏休み明けからは、彼らはチップの研究を合同で行うはずになっていた。少年達を共通の助手にして、ローテーションさせて情報を共有するやり方にしたのだ。
チョースが政務室にいたのは、そうした協力体制からいえぱ自然な事だった。
彼は何よりユース達を救出したい思いが強く、そのためなら何でもやるし、誰にでも協力するつもりだった。
政務室の責任者であるコメットも、非常事態に対して柔軟に動ける人間だった。
彼は政府だけの情報網では限界があるとすぐに判断し、張のアーサー会長に応援を要請した。
アーサーは合衆国政府の要人と親交が深く、民間の立場からも公的な立場からも動く事が出来た。今後の政府間の交渉では、彼のような立場の人間が重要な役割を果たすに違いなかった。
そのためオペレーター員がフル活動する政務室の中には、コメットの他にチョースやアーサー、アーサーの秘書のシーマがいた。そして特別房からカンムとユネストがやってきて、彼らの仕事に好きに意見を言っていた。
コメットはチョースにコンピューター操作をさせ、少年独自のやり方でロスアラモス研究所にアクセスするのを許した。
それはチョースみずからが志願したためだった。
彼は「反乱軍がよく使っている、情報介入のやり方が使える」と言ったのだ。
更新日:2018-08-08 13:51:13