官能小説

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心変わり

藤川先生の演武を久しぶりに見た。大人の男性の気迫と動きはやはり凄い。ふと、国のことを思い返したあたしは、これまでの戦争がどういうものだったのか、疑問に思えた。こちらが数で勝っていなかったら、男の国には対抗できなかっただろう。由自さんでさえ、サルヴァッツァに殆ど勝利したのだ。今では歴史を調べるよすがもあたしには無い。
「最近、由自は何してる?」
練習が終わってから、先生がわざわざ尋ねてきた。あたしは正直に言うつもりだった。
「家に居ないんです。」
「小人閑居して不善をなす、だ。子供を放っておいて、仕方ない奴だ。何か困ったら俺に言えよ。」
「はい。ありがとうございます。」
あっさりした性格の先生は、それ以上探りもしなかったので、あたしは却って深刻な気分から解放された気がした。
「先生、あたしが聖霊降臨教会に通ってるの知ってますか。先生はどう思いますか。」
「何を?」
「通うこととか、牧師先生とか。」
「俺が何か言える立場か。あそこの吉作さんは、昔はいろんな所に出入りしてたみたいだが、人はいいんじゃないかな。暗いから早く帰れよ。」
あたしは追い出されるように道場を出た。
川西さんが家まで送ってくれた。進学校に通っている川西さんは、普段は勉強に忙しく、練習の後もすぐ帰宅する。今晩は両親が出かけているそうだ。兄弟はいない。
一緒に夕食を食べて、宿題もすることにした。
「シャワー浴びましょうか。」
「うちの道場、シャワー無いのだけが難点だね。」
あたしは一人でさっさと裸になった。川西さんを刺激するのは分かっていたけれど、セックスしても全然構わないと思っていたし、川西さんもそのほうが嬉しがるとも考えていた。
ところが、川西さんのズボンを下ろしてあげてみて、あたしは喜びに躍り上った。
大きく反り返って立つおちんちんが、綺麗に剥けていたのだ。
「すごい。痛くないの?」
「もう慣れた。」
「本当かな?」
あたしは先のにおいを嗅ぎながら、垂れた袋の表の汗を舐めとるうちに、自分がひどく興奮しているのに気が付いた。由自さんにしていたとおりに舌を使ったら、途端に精子が飛び出した。その味とにおいにうっとりとして、腿を思わず擦り合わせたとき、べとりと濡れているのが分かった。生理前だったのを忘れていた。
精子はまだなみなみと溢れてくる。あたしは川西さんを押し倒した。
「川西さん、女ってこんなだよ。」
間違いなく、白いおりものだらけの股をあたしは川西さんの顔に押し付けた。
「あたしが好きなら、きゃっ!」
言い終える前に、男子の熱い唇に襞がまとめて吸い込まれたのを感じた。
汚いはずのお尻の穴まで川西さんはしつこく舐め取って、止まらないおりものを子宮から吸い出し続けた。
あたしの臭くて汚いところが、みんなこの人の喜びになる。あたしのあり方も認めて気遣ってくれる人だ。
先日と違い、この時あたしは、男女の別のあることを心から素晴らしいと思った。そして、この人こそ、あたしが一生添い遂げる人だと強く思った。
「ちゃんと中に来て!」
抱き合いながら重なったことは、由自さんとは多分、ない。由自さんは、後ろから来るか、口に出すから。重なるときはあたしが上だった。
すぐ来てくれた川西さんの体の重みは、だからとても嬉しかった。
「妊娠してもいいですか。」
「えっ?!」
声と同時に川西さんは、あたしの中に射精していた。
「いいよ!」
苦しみに近い表情で恍惚とした川西さんが、はっきりそう答えた。その言葉はあたしを喜びの海に沈め、子宮が動いて開くのをお腹に感じた。
あたしの国は遠くなった。あたしが心を向けるべきなのは、ここにいる日常の事。進路、あしたの予定、彼氏や着ていく服。お買い物。周りの友達が、単調だ平凡だというこの平和な暮らし。
翌々日から生理になったにも関わらず、あたしの心は満足だった。

更新日:2018-07-26 12:58:48

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