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20・ となり席 ゆるりと足臭勝て中華味
(となりせき ゆるりとあししゅう かてちゅうかあじ)
新幹線で大阪と東京を往復する帰省の旅が増えて来た。東京駅の地下街で中華弁当を買って車内に持ち込んだ。
日本人のサッカー技術が評価されるようになって欧州のサッカーチームに何人かが移籍するようになった。そんな中新幹線車中でも足技が発揮されている。隣の男は靴を脱ぎ、靴下を見せるように足を組んだ。一瞬枕流の弁当の箸は空中で止まってしまった。そこで一心に願いごとを始めた。味の濃い中華味が足の匂いに負けないようにと。
(1997・6・1、品川付近の新幹線車中)
21・ 「西日に後押しされて」
提げ帰る十缶4本生きる実感
(さげかえる じっかんしほん いきるじっかん)
日々筋トレで鍛えている腕は、缶ビール・酎ハイ・ワインボトル・日本酒ビンでちぎれそうに伸びている。カバンの重さも加わって足の進みは遅い。
このくらいの荷物が運べないと生きている意味はないと足を叱咤激励する。毎日少しずつ買って帰ればいいものであるが、この頃は生きる実感が欲しかったということになる。
(1997・6・11、大阪の地下鉄東三国駅近くのスーパー)
22・ 「アナウンサーの声は上ずる」
温暖化に雪国人の声弾む
(おんだんかに ゆきぐにびとの こえはずむ)
雪国の北陸では地球温暖化は冬の雪がすくなることを意味する。この温暖化を歓迎する地域もある。ロシアもそうであり、福井でもそうである。地域のニュースでは、金沢の冬の兼六園は雪がなく松の緑が綺麗だという。
私は雪国での車の運転は2年目であり、雪道の運転はまだ慣れない。雪の溶けた国道の走行は嬉しい限りである。
(1998・1・1、さいたま市で聞いたニュース番組)
23・ 「女性パワーの渦の中で」
女ごころ知ったぞケーキのバイキング
(おんなごころ しったぞ・・・・・・・)
ホテルのレストランで昼時のケーキバイキングが行われていた。四個までは平らげたが、すでに口の中は大混乱状態であった。周りのテーブルでは休憩も取らずに粛々と物事が進んでいた。
女心はケーキの柔らかさとクリームの滑らかさからできていると悟った。
(1998・1・10、大阪の十三の東洋ホテル)
24・ 刈り込みの上にもっこり空き缶花
(かりこみの うえにもっこり あきかんばな)
歩道と車道を分ける低い生垣を電動のこで切った後を通りながら見ることになった。生垣の先端を切ったことで今まで隠れていた錆びた空き缶が姿を現したのだ。
缶を切らずに伸びた枝先だけを刈り取る技に感心した。
(1998・2・1、大阪の東三国の街路)
25・ 「茶色の日本があった」
佐伯展貧しい日本も里帰り
(さえきてん まずしいにほんも さとがえり)
佐伯祐三は昭和初期にパリで活躍した日本を代表する画家の一人。展覧会ではパリの裏町の絵画の他に佐伯がパリに留学する前の日本が展示されていた。昔のわら屋根の農家とその前で脱穀している農夫と農婦の姿があった。その農作業の中に生活の苦しさと生活の落ち着きが感じられた。
砂崎枕流の財産の一つは、佐伯と同じように戦後の貧しい田舎を知っていることだ。還暦祝いの席でこれを子供達に自慢したが、理解されなかったようだ。これともう一つのがっかりは、還暦祝いが極めて質素であったことだ。
(1998・4・7、大阪の市立美術館)
(となりせき ゆるりとあししゅう かてちゅうかあじ)
新幹線で大阪と東京を往復する帰省の旅が増えて来た。東京駅の地下街で中華弁当を買って車内に持ち込んだ。
日本人のサッカー技術が評価されるようになって欧州のサッカーチームに何人かが移籍するようになった。そんな中新幹線車中でも足技が発揮されている。隣の男は靴を脱ぎ、靴下を見せるように足を組んだ。一瞬枕流の弁当の箸は空中で止まってしまった。そこで一心に願いごとを始めた。味の濃い中華味が足の匂いに負けないようにと。
(1997・6・1、品川付近の新幹線車中)
21・ 「西日に後押しされて」
提げ帰る十缶4本生きる実感
(さげかえる じっかんしほん いきるじっかん)
日々筋トレで鍛えている腕は、缶ビール・酎ハイ・ワインボトル・日本酒ビンでちぎれそうに伸びている。カバンの重さも加わって足の進みは遅い。
このくらいの荷物が運べないと生きている意味はないと足を叱咤激励する。毎日少しずつ買って帰ればいいものであるが、この頃は生きる実感が欲しかったということになる。
(1997・6・11、大阪の地下鉄東三国駅近くのスーパー)
22・ 「アナウンサーの声は上ずる」
温暖化に雪国人の声弾む
(おんだんかに ゆきぐにびとの こえはずむ)
雪国の北陸では地球温暖化は冬の雪がすくなることを意味する。この温暖化を歓迎する地域もある。ロシアもそうであり、福井でもそうである。地域のニュースでは、金沢の冬の兼六園は雪がなく松の緑が綺麗だという。
私は雪国での車の運転は2年目であり、雪道の運転はまだ慣れない。雪の溶けた国道の走行は嬉しい限りである。
(1998・1・1、さいたま市で聞いたニュース番組)
23・ 「女性パワーの渦の中で」
女ごころ知ったぞケーキのバイキング
(おんなごころ しったぞ・・・・・・・)
ホテルのレストランで昼時のケーキバイキングが行われていた。四個までは平らげたが、すでに口の中は大混乱状態であった。周りのテーブルでは休憩も取らずに粛々と物事が進んでいた。
女心はケーキの柔らかさとクリームの滑らかさからできていると悟った。
(1998・1・10、大阪の十三の東洋ホテル)
24・ 刈り込みの上にもっこり空き缶花
(かりこみの うえにもっこり あきかんばな)
歩道と車道を分ける低い生垣を電動のこで切った後を通りながら見ることになった。生垣の先端を切ったことで今まで隠れていた錆びた空き缶が姿を現したのだ。
缶を切らずに伸びた枝先だけを刈り取る技に感心した。
(1998・2・1、大阪の東三国の街路)
25・ 「茶色の日本があった」
佐伯展貧しい日本も里帰り
(さえきてん まずしいにほんも さとがえり)
佐伯祐三は昭和初期にパリで活躍した日本を代表する画家の一人。展覧会ではパリの裏町の絵画の他に佐伯がパリに留学する前の日本が展示されていた。昔のわら屋根の農家とその前で脱穀している農夫と農婦の姿があった。その農作業の中に生活の苦しさと生活の落ち着きが感じられた。
砂崎枕流の財産の一つは、佐伯と同じように戦後の貧しい田舎を知っていることだ。還暦祝いの席でこれを子供達に自慢したが、理解されなかったようだ。これともう一つのがっかりは、還暦祝いが極めて質素であったことだ。
(1998・4・7、大阪の市立美術館)
更新日:2018-07-28 06:23:44