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小説

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201・   秋空に肥満児主役綱を引く(2004)〜

挿絵 450*314

201・   秋空に肥満児主役綱を引く
         (あきぞらに ひまんじしゅやく つなをひく)

 叔母の孫たちが通う小学校の運動会を見に行った。身障児が組み込まれている徒競走は全員がゆっくり走るのが決まり。同時一着ばかり。学校側は当の障害児の考え、思いを聞いて見たのであろうか。少しも教育的な配慮がないように思う。社会に出るまでを過ごしやすくするのが教育なのだというのか。
 「肥満児が元気に入場 綱引き種目」 「マンションにこだま ヨーイヨーイ、ドンドン」

 (2004・9・25、神奈川県大和市)



202・   拡張子を家族に教え自信拡張
         (かくちょうしを かぞくにおしえ じしんかくちょう)

 訓練センターの授業前のスピーチは今回で最後になった。何か記念になることを話そうと思っていたが、幸いなことにこの即興の俳句を紹介することができた。
 前日、妻がファイルの名前変更が上手く行かないというので操作を見ていたら、ファイルの拡張子を消していた。早速、この拡張子の意味を話して、これを消さないように指導した。授業とは別の場所でパソコン操作の自信を得た。55歳でのパソコン トレーニングはきつかったが、光が見えてきた。簡単アニメ動画も作成できた。

 (2004・9・27、さいたま市浦和区 埼玉ポリテクセンター)



203・   黒人のホームレスがいる・・・台風一過
         (こくじんの ホームレスがいる たいふういっか )

 コンサル業の訪問先の近くに公園があり、この公園は時間調整に最適な場所になっていた。この日も早めにきてしまったので、公園に立ち寄ることにした。するとゴミが散乱しているはずの公園は、台風によって掃き清められていた。しかし、いつもと違うのはそれだけではなかった。
 公園の隅にあるベンチには、黒人のホームレスが白い帽子を被ってうつむき加減に座っていたのだ。南からやってきた強烈な台風が運んできたかと錯覚してしまった。

 (2004・9・30、埼玉県川口市江戸袋公園)



204・   埼京線に怪獣が住む悲鳴二つ
         (さいきょうせんに かいじゅうがすむ ひめいふたつ)

 埼京線は埼玉県人が池袋・新宿・渋谷に出るには最強のルートである。渋谷から浦和に戻る際に埼京線に乗っていた時のこと。混雑する新宿駅で閉まりそうなドアに人が殺到して車内になだれ込んできた。車両の中程で両側からの流れがぶつかって悲鳴が上がった。「助けてーーーキャー」「た・す・け・て」
 
 10年が経過して埼京線では駆け込み怪獣はいなくなったようだが、2015年ごろから痴漢怪獣が出没しているらしい。悲鳴が上がらないので目撃できていない。
 
 (2004・10・4、東京都新宿駅 埼京線車両)



205・  「秋の文化祭」
       フラダンス 花飾る老女美しや
         (フラダンス はなかざるろうじょ うつくしや)
  
 明るい化粧をしてシワのある顔にスパンコールをつけ、髪飾りとレイで身を飾る。そしてハワイアンの曲に合わせて体と衣装を揺らす。多くの女性はハワイ人に成り切っていた。この中に一人だけ20代の女性がいたが、化粧もスパンコールもなしでニコリともせず、若さと美貌を揺らしていた。だが完全に老女たちに負けていた。

 (2004・10・10、さいたま市南箇公民館)

 



 

 

更新日:2018-08-24 11:37:36