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小説

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76・   青信号右見て左見て小走りに(2001)〜

挿絵 800*547

76・   青信号右見て左見て小走りに
        (あおしんごう みぎみてひだりみて こばしりに)
  
 大阪に馴染んだ私を含めて大阪人は、横断歩道の赤信号を自分で解釈して行動する。つまり信号が赤でも車が来なければヨーロッパ的に自分の責任で渡るのだ。この習慣は横断歩道の青信号でも生きていて、右を見て左を見てから小走りに走り抜ける。

 (2001・11・19、大阪市東三国)



77・  「遠くから見るもの」
      こうべ上げ顔を向き合いルミナリエ
         (こうべあげ かおをむきあい・・・・・)

 震災後の神戸市が復興のために始めたルミナリエでデートするのが目標、という会社の女性がいた。そして今年もルミナリエに一人で行ってきたと話していた。私はこの人に成り代わって俳句を読んでみた。
 やはり、一人でルミナリエを歩いたのがまずかった。一人でもその素晴らしさに満足できてしまったからだ。

 (2001・12・7、大阪市)



78・  「天地創造の時」
      妻の勇気 年末調整金あるはずよ
        (つまのゆうき ねんまつちょうせいきん あるはずよ)

 フルタイムで働いている妻は、来年の私の小遣い交渉でこの年まで口にしたことのない言葉を初めて口にした。妻は知らないことになっていた枕流の会社の年末調整金のことを交渉の場に出したのだ。やはり知っていたのだ。
 その時のあまりの衝撃にその時の交渉の結末がどうなったかは覚えていない。

 (2001・12・20、大阪市東三国)



79・   星空を指差す女大生星のよう
        (ほしぞらを ゆびさすじょだいせい ほしのよう)

 娘が栃木県にある国際医療福祉大学を卒業した。卒業祝いとアパートの片付けを兼ねて家族全員が県北の地に集結した。近くの居酒屋にはやはり卒業を祝う学生達が集まっていた。予約した後呼ばれるまでの間皆で星空を見上げていた。
 この時娘の姿は見えなかった。女子大生達と空を見上げるという幸運に感謝した。
 引越し荷物を車に積み終えたことで、次の俳句を作る余裕ができた。
「埃身に娘の引越し 身を粉にして」

 (2002・2.10、栃木県大田原市)



80・   大甘のソルトレーク日本選手団
        (おおあまの ソルトレークにほん せんしゅだん)

 下位独占となった日本選手たち。そして選手達とほぼ同数の役員・コーチを加えた総数は米国に次ぐ数であった。日本は開催国の米国を忖度して、大選手団を送り込んでいた。
 日本はこの大会で大敗したことで、2018年の平昌冬季オリンピックでは活躍できたのだから、因果なものだ。この大選手団は無駄ではなかったというほかない。

 (2002・2・22、大阪市東三国)



 

更新日:2018-08-08 11:52:07