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小説

携帯でもPCでも書ける!

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挿絵 795*653

46・   「携帯電話の見本市」
       携帯がぶつかり気づくハチ公前
        (けいたいが ぶつかりきづく はちこうまえ)

 人混みの中で二つの携帯電話にデートの相手を探させるのはかなり難しい。背中同士がぶつかって初めて、相手が目の前にいるのに気づく。
 待ち合わせに携帯電話を使うのは途中までにして、自分の目で、自分の羽で飛んで見つけた方がありつく蜜は美味しいはず。顔のない携帯電話同士の初デート。

 (2000・4・25、渋谷の谷間)




47・   「かつて叱りすぎたことが頭をよぎった」
       元部下に深々よろしく 風みどり
        (もとぶかに ふかぶかよろしく かぜみどり)

 思いっ切り頭を下げた時に、頭の中の霧が晴れて涼しい風が吹き抜けた。

 (2000・5・25、大阪梅田の勤め先)



48・  「東京から大阪へ蝶特急」
      バーゲンのブラウス畑蝶の舞
        (ばーけんの ぶらうすばたけ ちょうのまい)

 今日は蝶のようだと言われた時の女房の嬉しそうな顔は、私を舞い上がらせた。たまには蝶は自然の畑の香りの中を飛び回ることが必要だ。

 (2000・7・8、大阪梅田のデパート)




49・    「力強いかかあ監督がいる」
        応援団のプレーに涙 地区野球
        (おうえんだんの ぷれーになみだ ちくやきゅう)

 日焼けした選手の母親たちが庇のない応援席で動き回っている。首にタオルをかけた母親たちが応援団の野球部員たちにクーラーボックスの蓋を開けてジュース缶を手渡している。小さな野球場では白球以外に飛び交うものが見える。

 (2000・7・20、さいたま市浦和の市営球場)




50・   二千泳ぎを信じぬ女房 泳がせておく
       (にせんおよぎを しんじぬにょうぼう およがせておく)

 最近、50メートルのプールに行くとかならず2000メートルは泳ぐのだと言っても妻は信じない。世の中を泳ぐのは下手でもクロールなら泳げるのだ。この前は3000メートルを泳いだと行ったがやはり信じてもらえなかった。

 (2000・8・7、大阪市営プール)
 
 

更新日:2018-08-01 05:34:18