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ピロン捜索隊に入る
図書室から出て次の間へ入ると、ちょうどそこに居合わせた弟のトパーズが、びっくりして駆け寄って来た。
「ガーネット姉さん、僕、こんなに早く来てくれるとは思っていなかった。
でも何で図書室からでてきたの?」
「あの...部屋を間違えちゃって...」
「また会えて嬉しいよ。
でもここに父上がいないのは残念でしかたがない」
トパーズはまだ幼さの残る顔を歪めて悔しがった。
「トパーズ、私たちで必ずお父さまを助け出しましょう。
お父さまは必ずどこかで生きていらっしゃる。
それを信じてがんばりましょうね。
ところでどうやってお父様は連れ去られたの?」
「父上はいつものように書斎でお仕事をなさっていたのです。
誰も部屋から出たところは見なかったし、城の外へも出てはいないはずなのです。
もし出られたならば門番が見逃すはずはありません。
でもメイドが朝のお茶を運んでいったら、父上は部屋の中にはいらっしゃらなかったのです。
僕たちはもちろん色々な所を探したのですが、手がかりは見つかりませんでした。
机の上には父上の字で走り書きが残されていました。
それには“心配するな。私はBlack H???”と書かれてあったので、みんなはきっとブラックホーク(Black Hawk)の仕業だろうと思ったのですよ」
「それでは実際には誰も目撃者がいなくて、お父様は煙のように部屋から消えてしまったということなのね。
ご自分から出て行かれたにしろ、誰かに連れ去られたにしろ、いったいどこからどうやって出て行かれたのか、その謎を解かなければ。
置いてあった走り書きを見せてくださいな」
トパーズは机の引き出しにしまってあった紙切れを取り出してピロンに渡した。
「確かに“Blackははっきり読めるけれど次の字のHのあとはo にもaにも見えるわね」
ブラックホークという盗賊が付近の村を荒らしまわっているという噂はオレンジ村にも届いていた。
平和なオレンジ村にいると、外では常に争いに巻き込まれて暮している人々がいることは信じがたいことだった。
だが今、父は誘拐され、自分の国が危機に立っている。
ピロン自身が盗賊たちに立ち向かわなければならないのだった。
父、スタウザには戦略に長けた有能な重臣がたくさんいた。
その者たちの指示で、すでに王を探す部隊が組まれ、捜索は始まっていた。
「ガーネット姫、ブラックホークは、村々を襲い破壊してゆく、まるで疫病のような男ですよ。
今のところ我々は襲撃された村を回って、人々を助けることで手一杯です。
だが我々は、村が襲撃される前に手を打てるように、あちらこちらの村に兵隊を忍ばせている。
その他森の中も捜索隊を出して怪しいものを捕らえるようにしてある。
このレインボー-ハイランドの軍隊が関わったからには、捕まるのも時間の問題ですよ」
重臣の一人が勇ましく言った。
「私もその捜索隊に入れて下さい」
「とんでもない、姫様。
姫は王子とこの国の中にいらしてください。
外はとても危険です」
「そんなことは解っています。
私は父を助け出し、悪党にその悪事を止めさせるために来たのです。
国の中にいたのでは何もできません。
私はオレンジ村で四年間たくさんのことを学びました。
自分を守るための格闘技も身につけているし、怪我人たちの治療も心得ています」
「しかし、もし万が一姫の身に何かあったら、我々は王様に顔が立たない」
「そんなこと言っている暇はありません。
私を捜索隊に加えなさい。
これは私の命令です。」
姫の命令とあっては、重臣たちは言うことを聞かないわけにはいかなかった。
「ガーネット姉さん、僕、こんなに早く来てくれるとは思っていなかった。
でも何で図書室からでてきたの?」
「あの...部屋を間違えちゃって...」
「また会えて嬉しいよ。
でもここに父上がいないのは残念でしかたがない」
トパーズはまだ幼さの残る顔を歪めて悔しがった。
「トパーズ、私たちで必ずお父さまを助け出しましょう。
お父さまは必ずどこかで生きていらっしゃる。
それを信じてがんばりましょうね。
ところでどうやってお父様は連れ去られたの?」
「父上はいつものように書斎でお仕事をなさっていたのです。
誰も部屋から出たところは見なかったし、城の外へも出てはいないはずなのです。
もし出られたならば門番が見逃すはずはありません。
でもメイドが朝のお茶を運んでいったら、父上は部屋の中にはいらっしゃらなかったのです。
僕たちはもちろん色々な所を探したのですが、手がかりは見つかりませんでした。
机の上には父上の字で走り書きが残されていました。
それには“心配するな。私はBlack H???”と書かれてあったので、みんなはきっとブラックホーク(Black Hawk)の仕業だろうと思ったのですよ」
「それでは実際には誰も目撃者がいなくて、お父様は煙のように部屋から消えてしまったということなのね。
ご自分から出て行かれたにしろ、誰かに連れ去られたにしろ、いったいどこからどうやって出て行かれたのか、その謎を解かなければ。
置いてあった走り書きを見せてくださいな」
トパーズは机の引き出しにしまってあった紙切れを取り出してピロンに渡した。
「確かに“Blackははっきり読めるけれど次の字のHのあとはo にもaにも見えるわね」
ブラックホークという盗賊が付近の村を荒らしまわっているという噂はオレンジ村にも届いていた。
平和なオレンジ村にいると、外では常に争いに巻き込まれて暮している人々がいることは信じがたいことだった。
だが今、父は誘拐され、自分の国が危機に立っている。
ピロン自身が盗賊たちに立ち向かわなければならないのだった。
父、スタウザには戦略に長けた有能な重臣がたくさんいた。
その者たちの指示で、すでに王を探す部隊が組まれ、捜索は始まっていた。
「ガーネット姫、ブラックホークは、村々を襲い破壊してゆく、まるで疫病のような男ですよ。
今のところ我々は襲撃された村を回って、人々を助けることで手一杯です。
だが我々は、村が襲撃される前に手を打てるように、あちらこちらの村に兵隊を忍ばせている。
その他森の中も捜索隊を出して怪しいものを捕らえるようにしてある。
このレインボー-ハイランドの軍隊が関わったからには、捕まるのも時間の問題ですよ」
重臣の一人が勇ましく言った。
「私もその捜索隊に入れて下さい」
「とんでもない、姫様。
姫は王子とこの国の中にいらしてください。
外はとても危険です」
「そんなことは解っています。
私は父を助け出し、悪党にその悪事を止めさせるために来たのです。
国の中にいたのでは何もできません。
私はオレンジ村で四年間たくさんのことを学びました。
自分を守るための格闘技も身につけているし、怪我人たちの治療も心得ています」
「しかし、もし万が一姫の身に何かあったら、我々は王様に顔が立たない」
「そんなこと言っている暇はありません。
私を捜索隊に加えなさい。
これは私の命令です。」
姫の命令とあっては、重臣たちは言うことを聞かないわけにはいかなかった。
更新日:2018-07-29 14:42:32