• 6 / 7 ページ

#3 魔法学校の生活のはじまり

 私は5mほどある巨大な門の前へと歩いていった。すると、その門は自動ドアのようにひとりでに開いた。
「こちらですよ。」
まるでお姫様のような薄いピンクのドレスを着た透き通った茶髪の女の人が言った。あれが校長先生か…。その女の人はゆっくりと私の所まで歩いてきた。
「あなたに、大切な話があります。さあ、校長室まで一緒に行きましょう。」
私は校長先生の後をついていった。

「まず、あなたの名前を教えてください。」
「私は…宇佐美叶子…です。」
私はそう言いながら紙に名前を書いた。校長先生は質問を続けた。
「あなた、どうやってここへ来たの?」
「そっ、それは……気づいたらここにいたんです。ラクスフェルアという妖精が魔王を倒すだとかどうの…。」
「やはりあの子ね。」
校長先生はあきれた顔で言った。
「先生はあの妖精について、それと魔王について何か知っているんですか?」
私は思わず尋ねた。
「わたくしは、あの妖精を見たことがないのです。つい最近の転校生達はその名を必ず口にするのですが…。本当に不思議ですね。」
先生は、魔王のことについては一切触れなかった。
「さあ、5年生のクラスに向かうのよ。」
私は地図を受け取った。
「えっ…5年生…?入学じゃ…ないんですか?」
「あなたは今、10歳でしょう?」
なぜ先生が私の年齢を知っているのか疑問に思った。

更新日:2018-05-27 19:48:00

  • Twitter
  • LINE
  • Facebook