• 11 / 40 ページ

宴の中・・リュース公の忠告

「残念ながらね・・」

「・・・何故?何故そんな話をされるのですリュース公」
エリンシアは問いかけた

「・・貴方の為ですよ・・エリンシア姫 
  お気をつけなさい・・

黒の王の情人となった事を黒の王妃が知れば 貴方の身に
どんな事が起こるか・・」

「それから 覚えておいて下さい 黒の国やって来た白の国の者を庇うのは
代々の先代から続くもの・・もはや使命・・宿命なのです・・。

私は 貴方の味方です そう・・そして、もし・・?」

「もし?」エリンシア

含み笑いをするリュース公

「私も貴方の事を 大変良く美しい方だと 
本当に思っておりますよ・・

いざとなった その時には・・きっと

そうですね・・娘のアルテイシアも貴方なら 
受け入れて気にいるでしょう・・」

「え?」エリンシア

「ふふ・・その時には貴方にもわかりますよ」意味ありげな笑み

「・・それから ヴァン伯爵には 会われましたか?」
微妙に硬い表情でリュース公は問う

「あ、はい 先月の宴でお会いしました 
広大な領地をお持ちで 影響力の強い黒の大貴族の御方」

「黒の王妃アリアン様とは従兄同士ですし・・ね」
リュース公

「はい その事も聞き及んでおります」

「あの御方には くれぶれもお気をつけて・・
王妃とは違った意味で 危険な方です・・。」

「・・・・」

「では、姫そろそろ 宴の方へ・・

今回の主賓は貴方なのですから
それから 前にお約束した通り・・
その素晴らしい羽琴の演奏をお聞かせください」

「私と親しい者達にも 貴方という素晴らしい方を
紹介しなくては・・」

「まあ・・そんな・・」エリンシア

「どうぞ・・こちらへ」

夜遅くまで 宴は続いた・・城からは羽琴の演奏の音・・

湖には水竜が長い首を伸ばして顔を上げ
城とともに 月明りに照らされて映えていた・・。

更新日:2018-05-10 07:43:34

  • Twitter
  • LINE
  • Facebook