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エイルの傷跡・・

「 ふぅーん・・ 」とアーシュ

「ねぇ!そろそろ アルテイア姫が準備してくれた食事会に
行かなきゃ♪ うふふ♪」

「今日はね 服はおニューなんだな ウフフ♪
アクセサリーも一部 新調したの♪」

二の腕の魔法の宝石が埋め込まれた金の腕輪に目をやる

「腕輪も服に合わせて ちょっと替えてみました。」

黙って、そのまま腕を捉えると 何も言わずに
二の腕の腕輪を外した

夕べの夢・・ 金の髪の彼女の赤い血と黒々とした傷で
飾られた腕・・
あの時のままの傷跡・・
えぐられたような幾つかの傷と
焼かれた刻まれた焼き印の文字・・

それは・・黒髪の少女の名前・・

「・・・俺のせいだ・・ 」とアーシュは暗くつぶやく・・

「もっと早くあの時 探しだせたなら・・
間に合っていたなら・・」

エイルは 笑顔を見せながら
「傷・・少しづつ・薄くなって来てるの・・
アーシュが 背丈を追い越す頃には きっと消える」
微笑・・お日様のようなキラキラとした笑顔 でも・・

それはウソ・・ 魔法で焼かれた文字は焼いた本人でも・・
おそらくは消せない・・所有の呪い

暗い表情を見せる アーシュの顔を覗きこみ

「 だから・・そんなに悲しい顔しないで」

更新日:2018-04-10 16:36:45

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