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氷の城・・宴の始まり・・

その頃 
森の湖のすぐ傍では・・

ちょっと さぼって 氷の仔馬達が 雪を転がして 雪だるまを作って
遊んでいる

大きな氷の鹿が めっ!とばかりに その角で軽く 
仔馬達のおしりをつつく・・・。

大慌てで 氷の仔馬達は 湖に浮かぶ氷の城を作る作業を手伝う・・。

それからしばらくして・・無事に完成した 氷の城・・。

今度は 氷の動物たちは 村や町の人々を迎えにゆくのだった・・。

冬の王の方は・・
最後の仕上げとばかりに 冬の王が 彩りに 無数の魔法の玉を
作り出す それは光輝き 煌めく・・
無数の魔法の玉は 城や周りの森を照らして 
紫色の夕暮れに染められた空を
灯りのように煌めいて燈していた。 

それから・・
湖の傍で こっそり覗いて氷の動物達を見つめていた者たちがいた。

毎年の出来事に 城が出来上がるまでは近づくなと言われた村の子供たち
・・とは言うものの 彼らも楽しみで遠巻きに見つめていた

「ねえ 二人 隣村の男の子と女の子がいないみたい・・。」
「どこ行ったんだろうね・・。」不思議そうに首をかしげる
「先に行ったんだろ?」子供たちは笑う

まさか・・恐ろしい雪の女王の僕(しもべ)に浚われたなどと 思いもせず
子供たちは楽しそうにしている・・。

すると ひょいと・・雪の積もった茂みから 氷の仔馬たちが顔を出す
「わ!」子供たちは驚き 声を上げた!

氷の仔馬達はジェスチャーをして 背中に乗れと仕草で示す

子供たちは顔をつきあわせ それから 我先にと仔馬の背に乗る

そんな彼らが ますは 最初のお客様・・。

氷の階段を登れば そこは宴の会場

森に音楽が鳴り響く
氷の馬達が 雪原を跳ね回る

遠くから 聞こえてくる
村々の子供達を乗せて 子供達は嬉しそうに笑いはしゃぐ

その後を 氷で出来た荷馬車を引く 
氷の馬達・・大人や老人達が乗っている

祭りの宴に 晴れ着を着込み 嬉しげに笑っている・・・。

今年の祭りは にぎやかになりそうだ・・ 
村人達も 王に土産をたずさえて いた

赤い林檎に 林檎のジュースに 林檎酒・・。
麦の酒ビール

そして 祭りの宴は始まる

「今宵は心ゆくまま お楽しみあれ
一夜の宴だが・・
ささやかながら 土産も用意した・・。」

集まった 近隣の村人達が歓声をあげる

「王よ! この大きな贈り物に感謝いたします!」
「王様 有難う!」

氷の城で 村人達は 氷の乙女達と踊ったり
王の用意したご馳走を口に運び 至福の顔をほころばせる



そっと 小さな氷のユニコーンが 王の耳元でささやきかける

「!なんじゃと・・結界が崩れた?」厳しい表情を一瞬みせ

それから 村や町の民人の為に 再び 笑みを作る・・・。

「お楽しみあれ!諸君」
人々にそう声をかけた・・。

更新日:2018-04-05 18:52:05

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