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守護せし者・・

守護せしもの あいまみえしは・・

これは遠い昔の物語

昔も今も人びとは 生きるが為の争いを繰り返す

勝ち戦の中 今度は森の中で残党を追いつめる
「兄者!」「張飛!」「この張飛さまの相手など百年早い!」

しかし相手は思いのほかに強くて 小柄な身体ながら
素早い動きで圧倒している。隙を見ては相手は 刀をつく 切り返しては銀色に輝く刀で引き裂こうとする。

今度は高々とジャンプして
すぐ横にいた相手に向かい
近くまで相手の身体を滑り込ませて、横腹の鎧の継ぎ目に刃を突き刺そうとする。

長くて黒い髭が揺れた
「関羽様!」「兄者!」
「うっ!」 危うく僅かに身をひき 向きを変えると
今度は 青龍刀を短く持ちかえて その刀を振り下ろす

相手の兜が二つに割れて
ぱらりと長く艶やかな黒髪が宙に舞う・・整った美しい女の顔があった!

「女だと!」
その瞳は海のような青・・青い瞳

現世を一瞬忘れる程の
この世ならぬもの・・

漆黒の髪は揺れ
瞳は輝き妖しい光を放つ・・

足元の大地がひび割れ
ポカリと大きな穴があく・・
二人の将や兵士達を
暗い虚無に似た穴が飲み込もうする!

兵士達の悲鳴
「兄者!」「張飛!」

更新日:2018-03-21 16:55:57

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守護せしもの あいまみえしは・・