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作り物の少女・・

私は 愛してしまったのか この創りものの人の形をした人形に」
天才化学者として、人々に尊敬され恐れられた、この私が......


闇に浮かぶ青い星 その星を猊下に見下ろす
宇宙ステーション

我等の故郷の惑星は 遥か彼方

実験室へのドアを開ければ
青い星を模した、木々や緑の森の中へと私は足を踏み入れる。

創られたといえ、美しい緑が私を包み込む


そして、 その緑の奥にいた少女が私に気づく......

少女が私に向かい微笑んでこちらに駆けてくる

私を慕い、嬉し気にその小さな両手で、抱き締める少女の身体から甘い薫りがしていた。

美しい少女の形をしたもの
愛くるしい大きな瞳  風にそよぐ長いしなやかな金の髪
柔らかで、しなやかな曲線を描く身体



彼等の気が知れない......私と同じあの化学者ども

星に住む猿どもから遺伝子を改良し、あろうことか
我々と同じ人間の形を創りあげた

たしかに その手腕は誉めてやろう......

更新日:2018-03-18 19:49:32

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