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小沢変哲、小沢信男、川崎展宏、碧梧桐、万太郎、小寺勇の俳句選

1. 190人を超える作者の面白俳句を五十音順に列記するが、便宜上、登場回数の多い24人の作品をまとめて表示する。
 
 小沢変哲 小沢信男 川崎展宏 河東碧梧桐 久保田万太郎 小寺 勇  
 小林一茶 佐山哲郎 砂崎枕流 鈴木真砂女 鷹羽狩行 宝井其角 高浜虚子
 竹久夢二 谷川俊水 炭 太祇 辻貨物船 寺山修司 夏目漱石 正岡子規
 松尾芭蕉 みつはしちかこ 与謝蕪村 良寛


 *俳句の前の番号は登録番号を示す。

1)小沢変哲

25   あぜにどっこいしょ浅間の山と俺
26   汗をふくとき人はみな好人物
77  馬とびの馬のつぶれて犬ふぐり    
155  菊に水やりつつ老いに水をやり
197   小鳥来る小鳥となって口笛を     
281  ステテコや彼にも昭和立志伝
327  突く鞠のスカートくぐる小春かな   
331  摘草や入るべからず入りけり
336  手の中の散歩の土産てんとう虫   
337  手のひらに踊るいのちや蝌蚪すくう
374  握れば意外葱坊主ひんやりと    
410  バトミントンして凶作の村役場
419  春の日にそっとしてみる死んだふり 
424  彼岸花よくも彼岸にあわせ咲く
425  蜩や寺の厠を借りており       
432  ひまわりや軒なみ留守の港町
462  閉経の妻と散歩す鰯雲     
479  まだ尻を目で追う老いや荷風の忌
492  道問いてわからぬもよし春一日   
496  身ぶるいの犬の背より散る桜
497  麦踏みや隣村からの嫁の腰


2)小沢信男

45   あんがいなあいつの腋毛運動会
122   学ならずもんじゃ焼いている梅雨の路地
244  ジャンボ機のはらわた長き初荷かな
295   そもそものいちぢく若葉こそばゆく
550   落第も二度目は慣れてカレーそば


3)川崎展宏

24   紫陽花に置いたる五指の沈みけり    
27   頭から足の先まで星月夜
31   厚氷割ったら歓喜童子かな      
111  男郎花あらをとこへしと女子衆
151   代る代る蝉の穴見る老夫婦    
175   屈伸のわれを見てをり冬の蠅
210   さくらんぼが照らす子供の口の中    
235  姿勢よく蜜豆を待つ老夫婦
296   蚕豆をむけといわれてむきになる   
442 ふたりしづかひとりしづかよりしづか
506   滅茶苦茶花のをはりの紫木蓮


4)河東碧梧桐

 8  赤い椿白い椿と落ちにけり     
119  牡蠣殻や磯に久しき岩一つ
154  菊がだるいと言った耐えられないと言った
416  春寒し水田の上の根なし雲
530  雪解の焼跡寒し南禅寺


5)久保田万太郎 

22  朝からのいひあらそいや夏の雲   
143  唐紙のあけたて寒ンに入りにけり
160  仰山に猫ゐやはるわ春灯       
177  来るあてのなきバス待てリ合歓の花
227  四月馬鹿朝から花火あがりけり    
280  すわりても立ちても日脚伸びにけり
286  節分やはやくも酔ひしたいこもち    
300  竹馬やいろはにほへとちりぢりに
345  時計屋の時計春の夜どれがほんと    
376  煮凝やいつまで残る酒の悔
378  煮大根を煮かへす孤独地獄かな    
379  二十年つきあつてをりビールかな
384  猫のよく眠ることの鰯雲       
396  蠅叩はなさぬと老なりにけり
449  冬の灯のいきなりつきしあかるさよ   
507  眼はきげん口は不機嫌冬ごもり
537  行く春や雀かくれし樋の中


6)小寺 勇  

94  老いぼれの一物を連れ菖蒲湯に
231  蜆汁のちっちゃい身までびんぼ性で
256  ショートパンツがようてステテコはなんでやねん
395  蠅叩きに俳誌の厚さがもってこいで
414  春一番おれは死ぬまで俳狂で

更新日:2020-08-18 19:58:27

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