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《カベルネ》

カベルネとのバトルの舞台は、ポケモンセンターの草木が生い茂る温室のフィールドだ
外が、猛吹雪だろうともとっても快適にバトルが出来る、理想的なフィールドだった

雪や氷が苦手なポケモンもへっちゃらな環境だ
トレーナーにとっても、寒さに震える事なく、鼻水を垂らしそれが寒さで凍り付くとか、指先が霜焼けで痒くなるとか、足先の感覚が無くなるとか、木の上の凍りつく氷の塊と化す殺人的な雪が無い安心空間に、思わず安堵のため息が漏れでる

事件の間、雪と氷の世界に身を置いていたサトシ達からしたら有り難すぎるあったかいフィールドに思わず、人も、ポケモンも関係なく笑みが溢れる

「サトシ、準備はいい?」

「ああ、勿論だ」
「ピカ!」
「ちゃんと、ピカチュウ以外は、カベルネ指定した通りに、ミジュマル、チャオブー、ツタージャ、ケンホロウ、ハハコモリだよ」

「! ありがとう! サトシ、あたしの我儘に付き合ってくれて!」

「いいや、良いんだよ、お互い悔いのない楽しくバトルしようぜ? な?」

「うん!」

カベルネは、今気張らずにいる
いつものツンツンした物言いは鳴りを潜めて居た

というか、つっけどな態度を取る様な気にならなかった
素直じゃない自分が、サトシと居ると素直になれて居ることに、カベルネ自身不思議に思えた

でも・・・何故か、それで良いのだろうとも思えた
だって、サトシといると、つっけどな態度を取るよりも・・・その方が楽しいと思えたからだ

肩の力を抜けとサトシに言われてから、何故だか体は軽くなった気がした

「・・・」
気張らないでいいバトルなんて、初めてかもしれない

いつもいつも、焦っていた様に思う
周りを見て、比べて・・・自分よりも前へと進む、自分と同じ位置にいた筈のサトシを含めた彼らを見ていると、自分はいつまでも同じ位置にいる様に思えて

バトルを楽しむ余裕なんてなかったから・・・

更新日:2018-04-27 18:34:29

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