- 36 / 44 ページ
誘惑の手順
レイクはユースの部屋をノックせず、すぐノブに手を掛けた。
普通ならホテルのドアはオートロック式なのだが、何故かこの時ドアのカギは掛かっていなかった。
彼が入ると部屋は電気が消えていて、人は無く、中は静かだった。
少年は部屋に入ったせいで暗示が切れて、正気に戻りかけていた。
だがその時、またもや部屋の中で電話が鳴った。レイクは何となくベッドへ歩いていって、そこにある電話の受話器を取り上げた。
すると再び同じやり方で、ユースの命令が下された。
───そこのベッドに横になれ
他の人間が聞いても、その音はただの数字の羅列にしか聞こえなかった。しかしコンピュータープログラムの知識があるレイクには、それが暗示として意味がついて伝わった。
彼は受話器を置くと、何も言わずに近くのベッドに横になった。
それから数分がたち、ドアに人影が現れた。
その人物は入り口に一旦立ち止まると、部屋の電気をつけた。
やって来たのはダグラス・ユーシャンだった。彼は息子に頼まれて、様子を見に部屋までやってきたのだ。
するとユースが話した通り、そこに本当にレイクが寝ているのを見つけた。彼はびっくりしたように口を開け、ベッドまで歩いてくると、少年に声を掛けた。
ダ「君‥こんな所で何をしてる?」
答えが無いので、もう一度繰り返した。
ダ「何故ユースの部屋で寝てるんだ?彼が私に訴えた内容は、本当なのか」
レイクはそこに横になること以外、指令を受けていなかった。
少年は無言で身を起こすと、相手を見もしないでベッドから降り立った。
ダグラスは怪訝そうな顔で少年を見ながら、ベッド際の内線電話の所へ行った。
息子は今ケントの部屋にいると知っていたので、彼はそこへ連絡を入れた。
ダ「ユースか?彼が来てるぞ。今、出ていく所だ」
ユ「本当に?ちゃんと言ってくれた?レイクを電話に出してよ」
ユースは12時になる前に、自分からケントの部屋へ押し掛けていったのだ。彼とケントはそちらの部屋で、ゲーム遊びをして過ごしている所だった。
その少し前、ユースはケントの部屋から父親に電話をかけた。
普通ならホテルのドアはオートロック式なのだが、何故かこの時ドアのカギは掛かっていなかった。
彼が入ると部屋は電気が消えていて、人は無く、中は静かだった。
少年は部屋に入ったせいで暗示が切れて、正気に戻りかけていた。
だがその時、またもや部屋の中で電話が鳴った。レイクは何となくベッドへ歩いていって、そこにある電話の受話器を取り上げた。
すると再び同じやり方で、ユースの命令が下された。
───そこのベッドに横になれ
他の人間が聞いても、その音はただの数字の羅列にしか聞こえなかった。しかしコンピュータープログラムの知識があるレイクには、それが暗示として意味がついて伝わった。
彼は受話器を置くと、何も言わずに近くのベッドに横になった。
それから数分がたち、ドアに人影が現れた。
その人物は入り口に一旦立ち止まると、部屋の電気をつけた。
やって来たのはダグラス・ユーシャンだった。彼は息子に頼まれて、様子を見に部屋までやってきたのだ。
するとユースが話した通り、そこに本当にレイクが寝ているのを見つけた。彼はびっくりしたように口を開け、ベッドまで歩いてくると、少年に声を掛けた。
ダ「君‥こんな所で何をしてる?」
答えが無いので、もう一度繰り返した。
ダ「何故ユースの部屋で寝てるんだ?彼が私に訴えた内容は、本当なのか」
レイクはそこに横になること以外、指令を受けていなかった。
少年は無言で身を起こすと、相手を見もしないでベッドから降り立った。
ダグラスは怪訝そうな顔で少年を見ながら、ベッド際の内線電話の所へ行った。
息子は今ケントの部屋にいると知っていたので、彼はそこへ連絡を入れた。
ダ「ユースか?彼が来てるぞ。今、出ていく所だ」
ユ「本当に?ちゃんと言ってくれた?レイクを電話に出してよ」
ユースは12時になる前に、自分からケントの部屋へ押し掛けていったのだ。彼とケントはそちらの部屋で、ゲーム遊びをして過ごしている所だった。
その少し前、ユースはケントの部屋から父親に電話をかけた。
更新日:2018-04-12 17:41:17