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ジ「呼び出しならいいわ。私が行くわよ」
レ「俺に来いって言ってるんだぜ、あいつは」
ジ「じゃ行かなくていいわ。どうせ目的は分かってるんだから」
 その問題はそれで決着がつき、隊員は持ち場に戻っていった。
 レイクとジョーンはユースの電話を無視して、そのまま部屋で就寝することになった。




 だがユースの電話したその内容は、実はレイクに対する暗示プログラムだった。
 彼は新チップの実験をして以来、レイクの脳の第五体や、脳内神経内のナノ線を操れるようになっていた。レイクの脳の詳しい情報を収めたメモリーを、彼はここまで持ってきていて、パソコン一つでそれを引き出して使うことが出来るのだった。
 コメットはその事を見越して、レイクから新チップをわざと抜いておく処置を取った。しかしチップの残存体である第五体は、依然としてまだレイクの中に残っていた。

 ユースはそれと自分のコンピューターを連動させる事で、レイクに暗示をかけたのだ。そして数字の羅列を聞かせる方法によって、無意識の内に命令を聞くよう操作するのに成功した。
 電話の内容を聞いたレイクの脳内には、“十二時になってから、誰にも内緒で857室へ行かなくてはならない”という命令が収まってしまっていた。“内緒で”という指令のため、少年はメッセージの詳しい内容を隊員に告げる事はしなかったのだ。
 彼はジョーンの横のベッドに寝ながら、彼女としばらくユースの対応策について話をした。そして暗示にかかっているのを誰にも告げないまま、眠りに入った。





 夜中の十二時になると、レイクは自分から自然に目を覚ました。

 彼の隣のベッドでは、ジョーンが寝息を立てていた。
 彼女はレイクが寝た後も、しばらく酒を飲みながらテレビを見ていたようだ。ソファーの机の所に、そうしたビンやグラスなど残り物が置いてあるのが見えた。
 だが今は彼女も、旅の疲れなどあってよく眠っていた。


 レイクは夢遊病患者のように、虚ろな目を開いてむっくりと起き上がった。そして静かな動作でベッドを下り、裸足のまま床の上に立った。

更新日:2018-04-07 18:11:29

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