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奇妙な夕食会
その晩の夕食の席は、何ともおかしな雰囲気になった。
彼らは波止場に近い、スペイン料理のレストランにいた。
屋根付きの屋外テラスに四角い大テーブルが置かれ、そこに六人は案内されて座った。テーブルの横にあるレンガ塀にはブドウの葉の蔦が絡まり、塀の上には色とりどりの絵が描かれた大皿が何枚も飾ってあった。
テーブルの上は白い清潔なテーブルクロスがかけられ、鑑賞用のラベンダーの花や小麦が、ガラスの花瓶に活けてあった。
中央に赤ワインのビンが二つ置かれ、大人の皿の横にはグラスにそのワインが注がれていた。
食事は形式ばらないコース料理だった。
海産物やパエリアの大皿があったので、近くにいたジョーンが皿から料理を取り分けて、他の人の小皿によそってやったりした。ユースはケントやダグラスやジョーンのグラスに、時々ワインをつぎ足していた。
会話は女性を中心に進められた。
シャーロットは相変わらず朗らかだったが、彼女の隣に座ったケントは緊張しまくって何度もフォークを床に落とした。
ユースはずっと冷静だったものの、確実にレイクを無視していた。レイクはレイクで気分が悪そうで、場の変な空気を感じ取ってピリピリし始めてもいた。
その中で、ダグラスの口数の少なさが際立っていた。
日頃の彼が無口なのかどうか、ジョーンは知らなかった。ただ彼女が場を取り持つように話をしても、ダグラスは相槌だけうって、実際には何も聞いていない事が多かった。
男三人が何か変な感じなのをよそに、向かいの席の女性陣はケントを間に挟んで、友情を深めつつあった。
今はおもにジョーンとシャーロットがしゃべっていて、ジョーンの行っていた大学の話をしていた。
シ「あら、それじゃ叔父さんに会ったかもしれないわ。同じ大学なんて奇遇ですね」
ジ「ええ、学科まで一緒なんて。────レイク、そのビンを脇にどけて。ケントが倒しそうよ」
ケントはいつもに増して不器用になっていた。彼の手前には、さっきユースが注いだばかりのワインのビンが置いてあった。
それをテーブルの中央に移動させながら、レイクはシャーロットに質問した。
彼らは波止場に近い、スペイン料理のレストランにいた。
屋根付きの屋外テラスに四角い大テーブルが置かれ、そこに六人は案内されて座った。テーブルの横にあるレンガ塀にはブドウの葉の蔦が絡まり、塀の上には色とりどりの絵が描かれた大皿が何枚も飾ってあった。
テーブルの上は白い清潔なテーブルクロスがかけられ、鑑賞用のラベンダーの花や小麦が、ガラスの花瓶に活けてあった。
中央に赤ワインのビンが二つ置かれ、大人の皿の横にはグラスにそのワインが注がれていた。
食事は形式ばらないコース料理だった。
海産物やパエリアの大皿があったので、近くにいたジョーンが皿から料理を取り分けて、他の人の小皿によそってやったりした。ユースはケントやダグラスやジョーンのグラスに、時々ワインをつぎ足していた。
会話は女性を中心に進められた。
シャーロットは相変わらず朗らかだったが、彼女の隣に座ったケントは緊張しまくって何度もフォークを床に落とした。
ユースはずっと冷静だったものの、確実にレイクを無視していた。レイクはレイクで気分が悪そうで、場の変な空気を感じ取ってピリピリし始めてもいた。
その中で、ダグラスの口数の少なさが際立っていた。
日頃の彼が無口なのかどうか、ジョーンは知らなかった。ただ彼女が場を取り持つように話をしても、ダグラスは相槌だけうって、実際には何も聞いていない事が多かった。
男三人が何か変な感じなのをよそに、向かいの席の女性陣はケントを間に挟んで、友情を深めつつあった。
今はおもにジョーンとシャーロットがしゃべっていて、ジョーンの行っていた大学の話をしていた。
シ「あら、それじゃ叔父さんに会ったかもしれないわ。同じ大学なんて奇遇ですね」
ジ「ええ、学科まで一緒なんて。────レイク、そのビンを脇にどけて。ケントが倒しそうよ」
ケントはいつもに増して不器用になっていた。彼の手前には、さっきユースが注いだばかりのワインのビンが置いてあった。
それをテーブルの中央に移動させながら、レイクはシャーロットに質問した。
更新日:2018-04-05 07:39:12