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レ「ユースのパパが着く前に俺達、出発した方がいいんじゃないか?何か良さそうな言い訳を作って、隊員さんに伝言を頼んどけば大丈夫だよ。少しでも騒動を避けた方がいい」
ジ「だけどユース君のお父様は、客が突然キャンセルしたらいい気はしないと思うわ。ユース君だって、あなたがいなくなったらがっかりするわよ」
レ「そんなこと言ってる場合じゃないだろ。あいつが起きた時に、どうするつもりなんだ?あんなに怒って、しかも恨みごとを言いながら眠ったんだ。絶対にただじゃ済まない。‥なあ、ユネストから電話してもらうのはどうだ?それできっと、少しは気が治まる」
ジ「一切の連絡は無しよ、緊急事態以外はね」
レ「さっきメール打ってたじゃないか。あれはコメットに報告したんだろ?」
ジ「中央刑務所には直接、打ってないわ。情報局には国外で活動する際の手順が色々とあるの。電話をかけるのも、民間人相手によ。私の実家の母とかね」
レ「手順って‥何でそんなに回りくどくしなくちゃいけない。俺達はこの国をスパイしに来てるんじゃなくて、夏休みを過ごしに来てるんだぞ」
ジ「私達がこうしている間…アメリカ国内にいる間は、常に秘密機関に監視されているわ。彼らは何も手を出しては来ないけど、私たちがこの国でしていった活動を、全て記録して調査するの。だから滅多なことは出来ないわ」
 情報局員としての役割が彼女にあるというのを、レイクは知った。それはハルカイリ政府にとって、慎重にかからねばならない内容のようだった。


 少年は彼女にうながされるまま、大人しくベッドに入った。ジョーンがカバンから錠剤を出して与えると、それを水で飲み込んだ。
 女医はその場で簡単な診察を済ませ、着替えをして寝るようレイクに言った。
 それから彼女は少年の気が散らないようケントを部屋の外に出し、自分も後からそこを出た。

 廊下に出ると、ジョーンはケントに事の次第を説明した。

更新日:2018-03-17 11:28:57

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ORIGIN180E L.A.編 1