官能小説

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前代未聞の作戦

西暦20XX年。魔界から闇の帝王が現れ、世界を恐怖の渦に陥れようとしていた。
町に潜む怪人たち。徐々に日常を蝕んでいく暗い影に、人々は為す術もなく震えるだけだった。

しかし、そこに彼らは現れた。天から光の力を授かった戦士たち・・・闇をも照らす
その力で、彼らは怪人の魔の手から人々を救っていった。

人々は彼らをこう呼んだ。ヒーロー、と。

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闇の帝王は苛立っていた。

「ヒーローの奴らめ・・・我の邪魔ばかりしおって・・・。この前も
上級幹部がやられたばかり・・・どうしてくれよう・・・」

ここは闇の帝王の根城である闇のビル。人間には入れない場所に、闇の帝王が密かに築いたものだ。
そのビルの最上階に帝王の部屋はある。ここで闇の帝王は恐ろしい作戦を立て、世界を征服するはずだった。

「うーむ、次はどんな作戦に出るか・・・いっそのこと巨大台風でも呼び寄せて滅茶苦茶にしてしまうか・・・
人間共を奴隷にできなくなるのは惜しいが・・・」

このところ負け続けの帝王は自暴自棄になりつつあった。

そこにノックの音があった。

「誰だ。我は今忙しいのだ。」

「帝王様、ワタクシ、サバトでございます。」

するとドアが開き、真っ黒なローブに身を包んだ賢者風の男が現れた。帝王の忠実なしもべであり、
執事のサバトだ。サバトは後ろに不格好な生き物を連れていた。

「なんだサバト、小鬼など連れて。」

小鬼と呼ばれた生き物はビクッと体を震わせた。魔界でも最弱の部類に入る小鬼にとって、
闇の帝王を直に見ることなど奇跡に近いことなのだ。

「は、実はこの小鬼、おもしろいことを思いつくというので、帝王様のお役に立つのではと思い
連れてまいりました。」

帝王はゆっくりと小鬼に近寄り、顔を覗き込んだ。

「ひえっ。」

小鬼から出たのは、蚊の鳴くような情けない声だった。帝王は苛立った。何としてもヒーローを
負かす作戦を思いつかねばというときに、サバトは何を考えているのか。

「おい・・・」

帝王がサバトを問い詰めようとした、その時だった。

「ど、童貞なのです!」


場が凍り付いた。帝王は一瞬、自分が何をしようとしたのかも忘れていた。

「な、何をいきなり、どうしたというのだ!」

「つ、つまり、この前上級幹部さんを倒したガッチリマンは、ど、童貞なのです!」

3日前のことだった。魔界でも名の知れた怪人である上級幹部は、とあるヒーローにコテンパンにやられた。
ヒーローは筋骨隆々のがっちりとした体格だったので、魔界では彼を「ガッチリマン」と呼んでいるのだ。

小鬼によれば、作戦はこうだ。ガッチリマンは童貞。つまり性器への刺激に弱い。そこを突いて
力が抜けたところを一気に抑え込もうというわけだ。

「フハハハハ、変なところに目をつけるな、おぬし。だが相手はヒーロー。そんなに簡単にいくまい。」

帝王は呆れ半分だった。しかし、サバトには思うところがあったようだ。

「帝王様、お待ちください。これは意外にも上手くいくかもしれません。」

更新日:2018-01-30 23:22:09

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