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乱入者

宙を舞っていたのはそれはそれは綺麗な純粋の赤い液体で…
それの少し上空には綺麗に切られた少年の細い右腕でした。

数秒の後に聞こえてくるのは愛おしい叫び声
私の愛しい人の愛しい叫び声に私は絶頂しそうになった。

「あっ…はぁ…危ない危ない…あなたがいい声を出すからイキそうになっちゃった♡」
「ああああぁ!!!!腕がああああぁぁぁ!」

あぁ、今あなたはすごく混乱しているのね…
友達だと思っていた人に襲われた衝撃と腕を飛ばされた衝撃。
あぁ…なんて…
「なんて!いい表情なの〜!」
玲は興奮を抑え込めないのか体を震わせる。

「もっと!もっと!いい声を聞かせて!もっと!いい顔を見せて!わたしの愛しい人♡」
その狂ってる顔をみて少年は思わず後ずさりした。

(このままじゃまずい…逃げなきゃ…逃げなきゃ…)
頭ではそう考えるも、右腕がなくなった痛みでまともに思考も働かなくなっていた。

更新日:2018-01-28 20:23:33

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