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オズの戦い
「なんで…」
玲は呆然と呟いた。
乱入者に視線を向けて。
「なんでって、そりゃ…その猫に引っ掻かれたって言ってた傷、私がつけたやつじゃん。」
瑞希が当たり前と言わんばかりの顔で言うと、玲は心の中で舌打ちした。
(まさか、偶然だとしても昨日の今日でうちのクラスに来るなんて…)
もっと工夫しておくべきだったと反省したが、すぐさま思考を変えた。
「まぁ、どっちみちオーガストに所属している貴方は邪魔だし、殺すのが早くなるだけよね」
「あら?あなたの寿命が縮むだけの間違えじゃないかしら」
「こっの糞女が!!」
叫びながら発したいくつものナイフを瑞希は己の斧を地面に差し込み、先程のように地面を変形させ撃破した。
「やれやれ、荒っぽいオズはこれだから」
ため息をつき、肩を竦ませると瑞希の雰囲気が変わった。
「オーガスト四番隊隊長、瑞希参ります!」
その言葉と共に再開した攻防は、凡人である悠には到底目で追えるものではなかった。
ただ速く、ただ強く、ただ神秘的
互角な戦いに悠は唾を飲み込んだ。
ー何分経っただろうか…
実際の経過時間はそこまででもないだろうが、体感時間は何時間にも感じられる戦いで若干目が慣れてきた悠はあることに気付く。
(…僅かだけど、瑞希が押されている…?)
少年のその考えは的中しており、玲は口角をあげた。
「ふふっ、隊長さんでも所詮この程度なのね」
肩で息をする少女が何も答えないでいると、玲は余裕そうな表情で少年を見る。
「あなたも可哀想ね、親友だと思っていた人に裏切られ、さらには傷つけられ、命の危険にもさらされて、希望の光が見えた助っ人は使えない…あぁなんて可哀想♡」
「オズの思考に乗っ取られないように制御してしまいその力を完全に引き出せない欠落品ごときが、完全にオズの力を引き出せる我々《ネメシス》に勝負を挑むこと自体が愚かでならない…ならないけど…実にいいわ!この弱者をいたぶる行為は!あぁなんて最高なのかしら♡」
玲は呆然と呟いた。
乱入者に視線を向けて。
「なんでって、そりゃ…その猫に引っ掻かれたって言ってた傷、私がつけたやつじゃん。」
瑞希が当たり前と言わんばかりの顔で言うと、玲は心の中で舌打ちした。
(まさか、偶然だとしても昨日の今日でうちのクラスに来るなんて…)
もっと工夫しておくべきだったと反省したが、すぐさま思考を変えた。
「まぁ、どっちみちオーガストに所属している貴方は邪魔だし、殺すのが早くなるだけよね」
「あら?あなたの寿命が縮むだけの間違えじゃないかしら」
「こっの糞女が!!」
叫びながら発したいくつものナイフを瑞希は己の斧を地面に差し込み、先程のように地面を変形させ撃破した。
「やれやれ、荒っぽいオズはこれだから」
ため息をつき、肩を竦ませると瑞希の雰囲気が変わった。
「オーガスト四番隊隊長、瑞希参ります!」
その言葉と共に再開した攻防は、凡人である悠には到底目で追えるものではなかった。
ただ速く、ただ強く、ただ神秘的
互角な戦いに悠は唾を飲み込んだ。
ー何分経っただろうか…
実際の経過時間はそこまででもないだろうが、体感時間は何時間にも感じられる戦いで若干目が慣れてきた悠はあることに気付く。
(…僅かだけど、瑞希が押されている…?)
少年のその考えは的中しており、玲は口角をあげた。
「ふふっ、隊長さんでも所詮この程度なのね」
肩で息をする少女が何も答えないでいると、玲は余裕そうな表情で少年を見る。
「あなたも可哀想ね、親友だと思っていた人に裏切られ、さらには傷つけられ、命の危険にもさらされて、希望の光が見えた助っ人は使えない…あぁなんて可哀想♡」
「オズの思考に乗っ取られないように制御してしまいその力を完全に引き出せない欠落品ごときが、完全にオズの力を引き出せる我々《ネメシス》に勝負を挑むこと自体が愚かでならない…ならないけど…実にいいわ!この弱者をいたぶる行為は!あぁなんて最高なのかしら♡」
更新日:2018-04-01 09:05:10