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第6章 忠告

 「その後、私は9代目に拾われて、ボンゴレの一員になったの。私が雪の波動を持っているのも、エストラーネオでの人体実験の影響による突然変異なんだって」
 ツナは、真奈の部屋で、彼女の過去を静かに聞いていた。いつも底抜けに明るい彼女に、こんな過去があるなんて、想像もできなかった。
 「そうだったんだ…」
 「うん。でもね、私、今でもむっくんは大事な友達だって思ってる。だから、いつか会いたい。そう思ってるんだ!」
 真奈の笑顔は、決して作り笑いではなく、心の底からの笑みだった。その時、突然部屋のドアが開いた。そこに立っていたのは、右目に眼帯をつけた少女。
 「クローム!」
 「ボス…、来てたんだ」
 霧の守護者、クローム髑髏だった。彼女は、骸と精神を共有する存在である。
 「おかえり、髑髏ちゃん!どこに行ってたの?」
 「ちょっと散歩」
 クロームが珍しく薄い笑みを浮かべた。
 「ボス…ちょっと、2人で話せる?」
 「え…?いいけど…」
 すると、真奈が立ち上がった。
 「じゃあ、私、ちょっと席を外すね。話が終わったら、すぐに呼んでね!」
 真奈は部屋を出た。ツナは、クロームと2人きりになった。
 「実はね、骸様から、伝言を預かってるんだ」
 「骸から!?」
 ツナは驚いた。今まで、骸がツナに伝言を残すことなどなかったからだ。
 「ボス、真奈ちゃんにはね、とても大きな力が封印されてるんだって」
 クロームの口から告げられた真奈の新たな秘密に、ツナは衝撃を受けた。
 「詳しい事は分からない。でも、何か起こるといけないから、ボスも真奈のこと、しっかり見守って欲しい、って。それだけ」
 「うん、分かった。でも、骸がわざわざ忠告したって事は…」
 「たぶん、相当大きな力なんだと思う」
 ツナは考えていた。真奈に秘められた力、それがどれだけ強大なものなのか、そして、その封印が解かれた時、どんな事態に陥るのか…。





 「ねぇ、もうやっちゃお~よ~!もう待ってばっかりで飽きちゃった!いいでしょ、ボス?」

 「貴様、ボスに対してそんな態度で…」

 「いや、気にするな。そうだな、明日、黒曜センターを襲撃しよう。カレン、お前が行って来い。ジェイク、お前もだ」

 「分かったよ、ボス」

 「ボス、私は…」

 「グリムは、オレと待機だ。後で、お前にも仕事をしてもらう」

 「ボスの仰せの通りに」

 「わ~い!ありがと、ボス!私、頑張っちゃうよ?いいよね!」

 「あぁ。ただ、今回の目的は…」





 「クローム髑髏を捕らえること、だ」

更新日:2009-03-16 04:35:12

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REBORN!(リボーン)小説~もう1人の守護者~