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第5章 むっくん

 真奈が骸と初めて出会ったのは、真奈がエストラーネオファミリーに連れて行かれた頃のことだった。まだ幼かった真奈は、親に捨てられ、組織の人間に見つかり、むりやり組織のアジトに連れてこられたのだった。
 「オラ、こっち来い!!」
 真奈は実験室らしきところに連れて行かれた。当時、まだ幼かった真奈は、とても怯えていた。
 「お前が実験で死んだとしても、それはファミリーのためになるんだ、ありがたく思え」
 組織の男にそう言われ、その日から真奈は人体実験のモルモットになってしまった。毎日、悲痛な悲鳴をあげ続ける日々。真奈の心は、崩壊寸前だった。そんな状態の真奈に、ある日の実験の後、声をかけた少年がいた。
 「きついですか?」
 どこか、不思議な雰囲気を持った少年だった。真奈は泣きながら、小さくうなずいた。
 「僕も力になりますよ?何か困ったことがあったら、いつでも僕に言ってください」
 その少年が真奈に手を差し出した。
 「僕は、六道骸、といいます。あなたは?」
 「北野…真奈です…」
 「真奈、ですか。いい名前だ」


 「ねぇ、むっくん」
 「…いいかげん、その呼び方はやめてもらえませんか?」
 2人が出会ってしばらくすると、真奈は骸にくっついていることが多くなっていた。真奈は、骸のことを「むっくん」と呼んでいた。
 「えぇ~、いいじゃん!だって、そのほうが呼びやすいでしょ?」
 「あなたがどう思おうが、僕にとっては恥ずかしいんですよ?」
 真奈は骸に出会ってから、以前のように塞ぎ込んだりしなくなっていた。
 「ところで、むっくんに聞きたいことあるんだけど…」
 「…何ですか?」
 骸は半ばあきらめた様子で言った。
 「むっくんには、将来の夢ってある?」
 真奈がそう聞くと、骸は少し考えて答えた。
 「う~ん…そうですね、僕の夢は…世界征服、とでも言っておきましょうか?」
 「へぇ~。やっぱり、むっくんも男の子なんだね!」
 しかし、骸の表情は少し冷たくなっている。
 「クフフ…冗談に聞こえるでしょう?僕は本気です。僕は、マフィアというものが大嫌いでしてね…。だから、この世のマフィア同士に戦争を起こさせて、世界を破滅させる。これが、僕の夢、いや、野望と言ったほうがいいかもしれませんね…」
 真奈はそれを聞いて、骸が恐ろしく感じた。聞かなければよかった、と真奈は思った。
 「大丈夫ですよ?だからと言って僕は、あなたを殺したりしませんから」
 怯えている真奈に、骸が優しく微笑んだ。さっきまでの冷たい表情は、すっかり消えていた。

更新日:2009-03-08 19:46:18

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