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第3章 喫茶店、そして帰り道

 ツナたちは、雲雀と別れたあと、並盛商店街を訪れ、いろいろな店を廻った。そして、日も暮れてきた頃、ツナたちは喫茶店、「ラ・ナミモリーヌ」にいた。夕日が差し込むテラスで、4人は話していた。
 「このケーキ、すっごくおいしいよ!」
 真奈が満面の笑みを見せた。彼女が食べていたのは、数量限定で売られているミルフィーユ。以前、京子やハルがおいしそうに食べているのを見て、ツナが真奈に勧めたものだった。
 「そう?ならよかったよ」
 ツナはほっとしたように言った。
 「今日はホントに楽しかったよ!みんな、ありがとう!」
 真奈が言った。すると、山本がこう言った。
 「真奈、お前は、もうオレたちの仲間だ。これからも、よろしくな!」
 ただ、こんなにいい雰囲気の中に、入っていけない者が1人…。
 「どうしたの、獄寺くん?今日、ずーっとしゃべってないじゃん」
 「う…うるせぇ!オレは、ただ…」
 「ただ?」
 真奈が問い詰めると、獄寺は少し顔を赤くして答えた。
 「その…なんつーか…オレ、今まで、同世代の女子と話したことがなかったからよぉ…その…何話せばいいかわかんねーんだよ…」
 それを聞いた真奈は、くすくすと笑いはじめた。
 「な…何がおかしいんだよ!!」
 「だって…獄寺くんがそんなこと思ってるなんて…想像できなくて…!!」
 真奈の笑いは、店を出るまで止まらなかった。

 帰り道、山本や獄寺と別れたツナは、真奈と2人きりだった。
 「そういえば、真奈はどのあたりに住んでるの?」
 ツナが聞くと、真奈はいたずらっぽい目をして答えた。
 「う~ん、ヒントをあげるなら、ツナの知ってる場所、かな?」
 「もったいぶらないで教えてくれよ!」
 ツナが困ったように笑いながら言った。
 「じゃあ、明日連れて行ってあげる!それでいいよね?」
 「うん、分かった!楽しみにしておくよ」
 ここまで話したところで、2人は大きな交差点にたどり着いた。
 「なら、私はこっちだから…。また明日、学校で会おうね、ツナ!」
 「うん!じゃあね、真奈!」
 ツナは真奈の姿が見えなくなるまで手を振り続けた。真奈もそれに応えて手を振った。もう、太陽は完全に沈みきっていた。





 「もう、さっさとあの子の力を解放しちゃえばいいのに~!そうしたら、あっという間にボンゴレなんか死んじゃうんだから、こんな回りくどいことしなくてもいいじゃん!」

 「そう焦るな。物事には、タイミングというものがある」

 「もう、いっつもタイミング、タイミングって…。もう飽きたよ、そんな言葉!」

 「決めるのはオレでも、お前でもない。あのお方の指示は、絶対だ」

 「はいはい、わかってますよ~だ」

更新日:2009-03-03 03:54:17

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REBORN!(リボーン)小説~もう1人の守護者~