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6.水の流れ
◆
「村上くんを推薦します」
副委員長の香山さんが手を上げて先生に言った。
もう一人の副委員長の上田くんがお父さんの会社の都合で引っ越すことになった。それで副委員長の男子の席が空いて誰かがやらなければならなくなったのだ。
香山さん、あれほど、僕には委員なんて似合わないって言っていたのに。
香山さんがそう言ったあとに、修二や文哉くん、松下くんまで賛成、賛成、と手を上げた。小川さんまで手を上げている。
「反対の人は?」先生がみんなに訊いたけど、誰も反対する人などいなかった。
休み時間に「ごめんね。村上くん、あと二ヶ月ちょっとの辛抱だから」と香山さんは僕の方に寄ってきて言った。
「何で僕なんや?」と訊くと「村上くん以外、他に誰も思いつかなかったから」
香山さんはあっさりと答えた。
「村上くん、仁美ちゃんに頼られているんだよ」
小川さんがそばに来て微笑んだ。
頼られてる?・・とてもそんな感じはしないけどな。
「それに副委員長なんて、そんなにたいした仕事なんてないから安心して」
香山さんはそう断言したけれど、本当だろうな。
「村上くんを推薦します」
副委員長の香山さんが手を上げて先生に言った。
もう一人の副委員長の上田くんがお父さんの会社の都合で引っ越すことになった。それで副委員長の男子の席が空いて誰かがやらなければならなくなったのだ。
香山さん、あれほど、僕には委員なんて似合わないって言っていたのに。
香山さんがそう言ったあとに、修二や文哉くん、松下くんまで賛成、賛成、と手を上げた。小川さんまで手を上げている。
「反対の人は?」先生がみんなに訊いたけど、誰も反対する人などいなかった。
休み時間に「ごめんね。村上くん、あと二ヶ月ちょっとの辛抱だから」と香山さんは僕の方に寄ってきて言った。
「何で僕なんや?」と訊くと「村上くん以外、他に誰も思いつかなかったから」
香山さんはあっさりと答えた。
「村上くん、仁美ちゃんに頼られているんだよ」
小川さんがそばに来て微笑んだ。
頼られてる?・・とてもそんな感じはしないけどな。
「それに副委員長なんて、そんなにたいした仕事なんてないから安心して」
香山さんはそう断言したけれど、本当だろうな。
更新日:2017-11-13 11:21:27