「シゲル！ サトシは！？」
ジュンが、戻ってきたシゲルへ心配そうに見て来る
「うん、ミックスオレとジョーイさんとラッキーのお陰で、持ち堪えたよ」
「そうか・・・よかった〜」
ジュンとタケシは、思わず安堵する、グレッグルも、分かりづらいもため息らしきの様なものを吐き出している
「はっ、良くやるな、自分で手一杯の癖に、人の事気にしてる暇があるとはな」
「シンジ、そんな言い方無いだろ？」
むっと、ジュンは、酷い言い草のシンジに、思わず食ってかかる
「本当の事を言ったまでだが？ 半人前の癖に、一丁前に人の事気にするとは、足元を取られても、あいつの責任だ、俺には関係ないな」
「なら、コンテスト見なきゃいいのにね〜、文句言うくらいなら」
「！？」
「ちょ、シゲル」
再び不穏にさせないで欲しいとジュンは切なる願いを組んで欲しいとシゲルへ縋るように見るも
「君みたいに、関係を大事に出来ない奴にとやかく言う資格もないよ、カッコつけて馬鹿みたいだね」
「！？ 何！？」
「僕も、本当の事を言ったまでだよ、違うの？ 君は、バトルの為って言って無茶な特訓しては、使えないと分かると切り捨てる事平気でするのに？」
「！？」
「！？」
「シゲル」
タケシは、それまで口を開かなかったが、流石に言い過ぎだと、強い口調で名を呼び視線でシゲルを叱る
「俺だけでは無いはずだ」
「「「！」」」
「誰でもしてる事だろう、そんな事、目くじら立てるような事なのか？」
「・・・サトシを半人前呼ばわりするの、そっくりそのまま、君に返すよ、僕は」
「！？」
「ちょ、シゲル、やめた方が」
「ね？ シンジ？」
「なんだ！？」
「ポケモンだって、人だって、いっときの時間で能力や素質全部把握することは出来ないものだよ？」
「！？」
「確かにね？ 最初は、誰だって弱いよ、使えないって事もあると思う、けど・・・育てていって、特技を見つけて得意分野を探して、その人を、ポケモンを長い時間を掛けて知っていく事も、立派な修行で経験だよ？」
「・・・」
「君には君の考えがあると思う、でもね？ 君を中心に考えて、誰かを否定して、切り捨てて、認めない、それもどうかと思うよ、僕は、君が全部正しいなんて思えないもの」
「！？」
シンジは、ギンッとシゲルを睨む
「君は、君の欠点はそこだよ、君が一番正しい間違っていないって思ってるようなとこ、絆を、関係を大事にしないとこ」
「！？」
「サトシはね？ シンジ、なんで頑張るかって言うと、ヒカリとの約束を守りたいって思ってるのと、自分が頑張る事で、誰かが泣かないようにって思ってるからだよ？」
「「！？」」
「は！？」
「ン！？」
シンジとジュンだけでなく、タケシも、その答えに、グレッグルと共に困惑した顔をする
「これ企画したのは、カスミのお姉さん達だけどさ？ サトシが出れる様にって準備したのってカスミでしょう？」
「！！ ああ！ そうか！！ コンテスト云々よりも、カスミの為ってか！？ サ、サトシらしいけど・・・せ、背負いすぎ・・・」
がっくりとタケシは項垂れる、頑張り過ぎる、サトシを馬鹿な奴だと思う
2人の女の子のためと思い、その身を犠牲にとは・・・
「は！？ どういう意味だ！？」
意味が分からず、ジュンは、素っ頓狂な声を出す、シンジもまた怪訝そうにしていた
「サトシが、そもそも、このコンテストに出たのは、頼まれたからなんだよ」
「何！？ 今日つい先知ったって奴！？」
「そう」
「じゃ、いきなりこんな事になってんのは、そのカスミのせいとかか？」
「いや、カスミじゃなくて、そのお姉さん達だね、カスミは、姉妹の末っ子なんだよ、4人姉妹の」
「って、まさかと思うけど、その姉達に、カスミ経由で押し付けられたとかか？」
「その通り、ジュン察しいいよね？ 空気読むのも上手いよね？ 君って」
「！？ か、勝手だな〜、その姉達」
「今に始まった事じゃない、ホウエンのコンテストの時もそうだ」
「あ！？ 素人じゃないってまさか、その姉達の計画で、それも今回もってか？ なんで、もっと事前に連絡入れないわけ？ 常識無しなの？」
「まあ、計画するにはするんだけどね？ 計画するだけして、何も準備しないまま、当日2日前にいきなり言って来る時もあれば、前日に予告もなしにって事もあるね？」
「はあ〜！？ 迷惑だな・・・それ・・・」
「んで、それに一番振り回されるのが、カスミなんだよね・・・ジムリーダーの事も、今回の計画とかその前の時も、カスミが、全部用意したんだと思うんだ、それも途方に暮れつつ泣きべそかきながら、そのまま、マサラタウンへ行って、ケンジやオーキド博士に泣きついたんだろうね？ ケンジも、この計画便乗して、サトシをコンテストに引っ張って来たんだと思うし」
「・・・そりゃ、断れないよな・・・」
サトシは・・・