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一方のジーフェスのほうは、サーシャより早めに湯あみを終えて既に独り、部屋へと戻ってきていた。
ソファーに座り用意されていたライム水を飲みながら何となしに部屋を見回し、ふと大きなベッドへと視線を向けた。

「……」

“サーシャと、一緒の部屋で一夜を過ごすのか。そういえば以前見た、サーシャの寝顔、凄く可愛かったなよな”

どきん…

以前別の場所でうたた寝していたのを抱き上げて部屋まで連れて行ったことを思い出し、ジーフェスは鼓動を速めた。

“彼女の身体は温かくて柔らかくて良い匂いがして、抱き締めたら壊れそうなくらい華奢で…”

ふとジーフェスはかつて夢見たサーシャの産まれたままの姿を思い出し、身体を、特に下半身の真ん中辺りを熱くさせた。

“隣で眠ればどんな反応をするのだろう?抱き締めたらどうなるのだろう?
もしも、もしも一緒に…裸になって抱き合ったなら…”

夢の中での出来事を想像して、思わずごくりと生唾を呑み込んだ。

コンコン…

「うわわああっっ!!」

突然部屋の扉がノックされ、不埒な考えに没頭していたジーフェスは飛び上がらんばかりに驚き、思わず変な叫び声をあげてしまった。

「ジーフェス様?!如何されましたか!」

声を聞いたサーシャは異様な状態に扉を開け慌てて部屋に駆け込んできた。

「さ、サーシャ、いや、大丈夫だよ…」

彼女の姿は湯あみを終えたばかりのせいか、まだ髪は濡れてきらきらと艶めいていて、白い頬や腕にほんのりと赤い色が見え、仄かに色気をも感じさせた。

そんな彼女の姿を見て、ジーフェスは益々心臓の鼓動を速め、思わすじっ、とサーシャに見とれてしまった。
だが何故かジーフェスと目を合わせたサーシャは次の瞬間、表情を強張らせ顔を更に赤く染めた。

「じ、ジーフェス様…その…あ、あのっ!」

ぽつりとそう呟くと、もじもじと恥ずかしそうに顔を真っ赤にしながらサーシャはジーフェスから視線を反らした。

「?」

いきなりのサーシャの行動に戸惑うジーフェスだったが、己の今の格好を見てやっと訳が解った。
今の自分の格好、それは下半身こそズボン姿ではあったが、上半身はもろに裸の姿であった。

「!!」

“し、しまったっ!ついいつもの癖で自分の部屋に居るのと思い込んでくつろいでしまっていたっ!”

「あの…これはその…!ち、ちょっと待ってっ!」

恥ずかしさの余り目を反らしたままのサーシャを置いて、ジーフェスは慌てて部屋の奥にあったガウンを引っ付かんで羽織るのだった。

「お、お待たせ。もう大丈夫だよ」

ジーフェスの声にサーシャが恐る恐る顔をあげると、そこには上半身ちゃんとガウンを羽織った彼の姿があった。

「ごめん、かなり驚いたよね?」

その言葉にサーシャはこくりと頷いた。

「びっくりしました。部屋に入ったらいきなり…その…」

そう言いながらも吃るサーシャの脳裏には、先程のジーフェスの姿が焼きついて離れない。

…何度か絵画や彫刻で見た事はあったけど、実際の男の方の裸を見たのは初めて…
ジーフェス様の裸姿、絵画とかと違ってずっと胸が広くて逞しくて、浅黒の肌に似合っていて凄く男らしくて…
私、何度かあの胸の中に抱き締められたのね。

先日の太陽祭の翌日の出来事を思い出し、サーシャは益々顔を赤くし鼓動を速めた。

「サーシャ?」

彼女の様子にジーフェスが訝しい表情になると、サーシャははっと我に帰った。

更新日:2018-02-05 08:11:23

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