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驚き顔をあげると、直ぐそこには優しく微笑むジーフェスの姿があって、自分の身体を抱き締めていた。

「嫌いになんてならないよサーシャ、俺も、サーシャの事が好きだよ」

ジーフェスの身体の温もりがサーシャの身体に伝わっていく。

「サーシャが忌まわしき予言を受けたかどうかなんて関係ないんだよ。俺はただサーシャが、今のサーシャが好きなだけなんだよ」

微笑みながらも、少し照れくさそうに視線を反らしてそう呟く。

「でも…私が傍にいる為にこれからジーフェス様に不幸が来るかもしれない!」

「その時はその時だよ。それに何よりこれから先、俺が不幸になるのはサーシャのせいでは無いんだ、運命なんだよ」

「運命…」

「そうさ、生きている限りは幸と不幸は交互に訪れるものさ。予言とは関係なくね。
だからサーシャが気にする事なんて何一つ無いんだよ」

「ジーフェス様…」

「それに…何より今の俺の一番の不幸はサーシャを喪う事なんだ。
俺を信じて支えてくれて、俺を頼ってくれるサーシャが居なくなる事なんだ。
サーシャが居なくなったら、俺は、多分立ち直れない…」

そう呟き、ジーフェスは更に力を込めてサーシャを抱きしめた。

“サーシャが居なくなれば、俺はまたあの時のように虚無の世界に堕ちてしまう!それは、それは嫌だ!”

「ジーフェス様…」

自分を抱き締める腕が、微かに震えているのを感じたサーシャはジーフェスの想いを理解するのだった。

“私も、私もジーフェス様が居なくなるなんて考えられない!ジーフェス様も私に対して同じ想いをしていらした…”

「ジーフェス様、ジーフェス様…!好きです、大好きです!私も、私もジーフェス様と離れるのは嫌です!傍にいたい、傍にいさせて、お願い…!」

ぎゅっと彼の広い胸にしがみつき、サーシャは今までの素直な想いをぶつけ、わんわん泣き続けるのであった。

更新日:2018-06-14 13:41:27

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