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今回の任務について、結果的に整備長のヨサンの、ある予想は
外れていた。
だが…。
その代わり、今回の出撃でフィーグの搭乗した機体や、
「RX-78-R191」・「ガンダム」に、何かよもや知れない機器が
本部の手によって取り付けられていた事実が判明した。
アドルは今回の任務であったその調査結果を本部へと報告、
そして…戦艦フーヴの進路を「PeaceRevie」の本部へと向け、
現地への帰還を開始した。
…このとき彼は、まだ例の機器のことについては、本部には
問わなかった。
…ようやくトイレ清掃を終えたフィーグは、
自室の窓から離れていく「テキサスコロニー」をみつめていた。
彼は短い間ではあったが…今回の任務のこと、そして、あの
コロニーでの出来事を思い返していた。
「フィーグ?」
…外から声がした。
リィナのようだ。
「…入っていいかしら?」
「どうぞ」
彼女が部屋へと入ってくるが…フィーグは振り向くことなく、
ずっと窓の外をみつめていた。
「なにみてるの…?」
その問いに、しばらく返事は返ってこなかった。
リィナはつい、フィーグの顔を覗き込んだ。
…彼はぼんやりと窓の外をみつめていたが、それがどこか、
黄昏ている様にも思えた。
「あの蒼いガンダムに乗っていたパイロット…ラ・ムエス
とか言ってたっけ…?あんたたちの仲間だったんだろ?」
リィナはその問いに、しばらくしてから答えた。
「ええ…そうよ」
「なぜ彼は、あんたたちを裏切ったんだ?」
フィーグはそのことについて、率直に彼女に尋ねてみた。
だが…。
「彼にも彼なりの思いがあった…というべきかしらね」
その声しか分からないが…彼もまた、何かの信念を持っている
様に、フィーグには思えた。
「自分たちが新たな戦争のきっかけを作っていると…
彼は言ってた。もし今度、戦争が起こったら…それは、
俺たちのせいになるのかな?」
フィーグはようやくリィナの方を向いた。
大きな瞳と、さらりとした金髪の長い髪の毛の女性がそこに
立っていた。
「そうならないようにするのが…私たちの役目よ、フィーグ」
リィナの顔が少し哀しげにみえた。
…フィーグは再び窓の外へと視線を戻した。
離れていく「テキサスコロニー」をみたとき、彼にはなぜか、
それが「黄昏のコロニー」に思えた様な気がした…。
…それはなぜかは分からない。
だが…あのコロニーにいたとき、なぜかそう感じずには
いられなかったのだ。
…ラ・ムエスという名の人物との遭遇。
そして…今回自分が搭乗した局地型ガンダムや、「R191」と
呼ばれるガンダムに取り付けられていた謎の機器…。
フィーグは今後、これからそれらの思わぬ事実を知ると共に、
また、新たな戦いというものに巻き込まれていくのである…!
外れていた。
だが…。
その代わり、今回の出撃でフィーグの搭乗した機体や、
「RX-78-R191」・「ガンダム」に、何かよもや知れない機器が
本部の手によって取り付けられていた事実が判明した。
アドルは今回の任務であったその調査結果を本部へと報告、
そして…戦艦フーヴの進路を「PeaceRevie」の本部へと向け、
現地への帰還を開始した。
…このとき彼は、まだ例の機器のことについては、本部には
問わなかった。
…ようやくトイレ清掃を終えたフィーグは、
自室の窓から離れていく「テキサスコロニー」をみつめていた。
彼は短い間ではあったが…今回の任務のこと、そして、あの
コロニーでの出来事を思い返していた。
「フィーグ?」
…外から声がした。
リィナのようだ。
「…入っていいかしら?」
「どうぞ」
彼女が部屋へと入ってくるが…フィーグは振り向くことなく、
ずっと窓の外をみつめていた。
「なにみてるの…?」
その問いに、しばらく返事は返ってこなかった。
リィナはつい、フィーグの顔を覗き込んだ。
…彼はぼんやりと窓の外をみつめていたが、それがどこか、
黄昏ている様にも思えた。
「あの蒼いガンダムに乗っていたパイロット…ラ・ムエス
とか言ってたっけ…?あんたたちの仲間だったんだろ?」
リィナはその問いに、しばらくしてから答えた。
「ええ…そうよ」
「なぜ彼は、あんたたちを裏切ったんだ?」
フィーグはそのことについて、率直に彼女に尋ねてみた。
だが…。
「彼にも彼なりの思いがあった…というべきかしらね」
その声しか分からないが…彼もまた、何かの信念を持っている
様に、フィーグには思えた。
「自分たちが新たな戦争のきっかけを作っていると…
彼は言ってた。もし今度、戦争が起こったら…それは、
俺たちのせいになるのかな?」
フィーグはようやくリィナの方を向いた。
大きな瞳と、さらりとした金髪の長い髪の毛の女性がそこに
立っていた。
「そうならないようにするのが…私たちの役目よ、フィーグ」
リィナの顔が少し哀しげにみえた。
…フィーグは再び窓の外へと視線を戻した。
離れていく「テキサスコロニー」をみたとき、彼にはなぜか、
それが「黄昏のコロニー」に思えた様な気がした…。
…それはなぜかは分からない。
だが…あのコロニーにいたとき、なぜかそう感じずには
いられなかったのだ。
…ラ・ムエスという名の人物との遭遇。
そして…今回自分が搭乗した局地型ガンダムや、「R191」と
呼ばれるガンダムに取り付けられていた謎の機器…。
フィーグは今後、これからそれらの思わぬ事実を知ると共に、
また、新たな戦いというものに巻き込まれていくのである…!
更新日:2017-11-23 19:37:35