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第3話 ルクト救出作戦
…レーダーの探知範囲をせわしく切り替えながら、
リィナ・シュラモンは目の前を流れていく外の光景から目を
離さなかった。
あたりは砂塵が吹き荒れ、視界が悪い。
そのためか、目の前のスクリーンの画像には、常にノイズが
走ったままであった。
(ルクト…)
やがてルクト・アディーナらが交戦したと思われる地点に
たどり着いた。
そこには彼らの「RGM-79(G)-R202」・「陸戦型ジム」の残骸が
横たわり、その無残な姿をさらしていた。
…皆、その殆どが手足を破壊され、中にはコックピット部分が
激しく損傷した機体もあった。
それに加えて、あたりには生命反応もない。
周辺に敵のモビルスーツの反応がないことを確認し、リィナは
「RX-77-R190」・「ガンキャノン」をその場で降着姿勢にすると、
コックピットハッチを開き外へと出た。
「うっ…」
あたりに舞い散る砂がバイザー越しに伝わってくる。
その中を、リィナはルクトが乗っていたと思われる機体に
とりついた。
閉じられたコックピットハッチを開く…だが、そこにルクトの
姿はなかった。
彼女はシートの下部にある、機体のその状況を記録する
レコーダーユニットを取り出した。
幸いにもそれは無事で、ルクトの操縦記録の確認はできそう
だ。
「ルクト…一体どこに…」
リィナは再び外に出ると、視界の悪い中、あたりを見渡した。
すると…。
「ん…?」
ふと足元をみやると…そこにかすかだが、足跡のような
ものが残っていた。
…ルクトのものだろうか?
それは前方に向かって延々と続いている。
リィナは一旦、機体のコックピットに収まると、通信回線を
開き、それを秘匿通信に切り替えた。
「…艦長、こちらリィナ…」
…ほどなく応答が返ってくる。
(…リィナか?状況は?)
「フーヴ」の艦長、アドル・トリスナーダの声が聞こえた。
「残念ながら…部隊は全滅です。また、あたりに生命反応も
ありません。…ただ、ルクトの姿はみあたりませんが、いま
現地で足跡のようなものを発見しました」
その応答までしばらく時間がかかった。
(機体のレコーダーはどうじゃ?)
今度は整備長のヨサン・ウォルトの声が返ってきた。
「さっき回収しましたム
(よし!とりあえず帰還してくれるかの?)
ヨサンの声に交じってアドルの声が聞こえたような気がした
が…リィナは気に留めなかった。
「分かりました…」
できるならその足跡をたどってルクトの捜索をしたいリィナで
あったが…彼女はハッチを閉じ、その場を後にしようとした。
ピッ…!
…そのとき、機体のセンサーが何かの反応を示した。
それがメインパネルの隅に表示される。
リィナはその情報に目をやった。
それは、ごく小さな何かの破片らしきものを捉えていた。
彼女は再び外に出ると、地面に何か光るものを発見した。
…何やら淡い緑色の光を放つ、小さな物体であった。
機体頭部のバイザー部分のものだろうか?
「…何かしら?」
それは光の偏光で、時折宝石のような輝きを放っていた。
リィナはそれを拾い上げ、再びガンキャノンに乗り込むと
現地を後にした。
…レーダーの探知範囲をせわしく切り替えながら、
リィナ・シュラモンは目の前を流れていく外の光景から目を
離さなかった。
あたりは砂塵が吹き荒れ、視界が悪い。
そのためか、目の前のスクリーンの画像には、常にノイズが
走ったままであった。
(ルクト…)
やがてルクト・アディーナらが交戦したと思われる地点に
たどり着いた。
そこには彼らの「RGM-79(G)-R202」・「陸戦型ジム」の残骸が
横たわり、その無残な姿をさらしていた。
…皆、その殆どが手足を破壊され、中にはコックピット部分が
激しく損傷した機体もあった。
それに加えて、あたりには生命反応もない。
周辺に敵のモビルスーツの反応がないことを確認し、リィナは
「RX-77-R190」・「ガンキャノン」をその場で降着姿勢にすると、
コックピットハッチを開き外へと出た。
「うっ…」
あたりに舞い散る砂がバイザー越しに伝わってくる。
その中を、リィナはルクトが乗っていたと思われる機体に
とりついた。
閉じられたコックピットハッチを開く…だが、そこにルクトの
姿はなかった。
彼女はシートの下部にある、機体のその状況を記録する
レコーダーユニットを取り出した。
幸いにもそれは無事で、ルクトの操縦記録の確認はできそう
だ。
「ルクト…一体どこに…」
リィナは再び外に出ると、視界の悪い中、あたりを見渡した。
すると…。
「ん…?」
ふと足元をみやると…そこにかすかだが、足跡のような
ものが残っていた。
…ルクトのものだろうか?
それは前方に向かって延々と続いている。
リィナは一旦、機体のコックピットに収まると、通信回線を
開き、それを秘匿通信に切り替えた。
「…艦長、こちらリィナ…」
…ほどなく応答が返ってくる。
(…リィナか?状況は?)
「フーヴ」の艦長、アドル・トリスナーダの声が聞こえた。
「残念ながら…部隊は全滅です。また、あたりに生命反応も
ありません。…ただ、ルクトの姿はみあたりませんが、いま
現地で足跡のようなものを発見しました」
その応答までしばらく時間がかかった。
(機体のレコーダーはどうじゃ?)
今度は整備長のヨサン・ウォルトの声が返ってきた。
「さっき回収しましたム
(よし!とりあえず帰還してくれるかの?)
ヨサンの声に交じってアドルの声が聞こえたような気がした
が…リィナは気に留めなかった。
「分かりました…」
できるならその足跡をたどってルクトの捜索をしたいリィナで
あったが…彼女はハッチを閉じ、その場を後にしようとした。
ピッ…!
…そのとき、機体のセンサーが何かの反応を示した。
それがメインパネルの隅に表示される。
リィナはその情報に目をやった。
それは、ごく小さな何かの破片らしきものを捉えていた。
彼女は再び外に出ると、地面に何か光るものを発見した。
…何やら淡い緑色の光を放つ、小さな物体であった。
機体頭部のバイザー部分のものだろうか?
「…何かしら?」
それは光の偏光で、時折宝石のような輝きを放っていた。
リィナはそれを拾い上げ、再びガンキャノンに乗り込むと
現地を後にした。
更新日:2017-11-02 11:26:51