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女神6話「私が愛した男(ひと)」
巨大怪獣と決戦した日から約1週間、まだ橋本隊員も倉見隊員も上溝隊員も寒川隊員も入院したまま、病院から帰ってきてません。今サブオペレーションルームにいる隊員は香川隊長と女神隊員だけ。香川隊長はいつものように深夜に録画しておいたアニメを見てました。手元に杖(ロフストランドクラッチ)があるところを見ると、ひざの骨折はまだ完治してないようです。
女神隊員はオペレーションルームのコンソールの前に座ってます。上溝隊員がいつもやってるようにファッション雑誌を読んでのかと思いきや、なんとバイクの教則本を読んでました。女神隊員は先日バイクに乗ったことでバイクに興味を持ってしまったようです。しかし、女神隊員は宇宙人。はたして宇宙人がバイクの免許を取れるのでしょうか? なお、女神隊員は今、バイクの教則本を読むために自動翻訳機がついているフルフェイスのヘルメットをかぶってます。
ちなみに、オペレーションルームとサブオペレーションルームの間の自動ドアは常時開けっ放しになってるので、実質1つの部屋になってます。
今コンソールについている固定式電話が鳴り、女神隊員がその受話器を取りました。
「はい、もしもし、テレストリアルガードです。事件ですか? 事故ですか?」
て、そのセリフ、なんかおかしいような。どこで覚えたんでしょうか?
それに対する電話からの声。
「あ~ もしもし、テレストリアルガードさん?」
「はい」
「あの~ 隣の人が怪しいんです」
「はい?」
「私、今アパートに住んでるんですけど、隣りに住んでる人がどうも怪しいんですよ。1ケ月前に引っ越してきたんだけど、1度も口を聞いたことがないんですよ。もしかしたら宇宙人かも?」
「はぁ、それだけで宇宙人と決めつけちゃうの?」
「ほら、5年前攻めてきた宇宙人の8割はコイダ星人だったんですよね。コイダ星人は外見上は地球人と瓜二つだけど、声帯は未発達だから口がきけないて話じゃないですか。あれは絶対宇宙人、コイダ星人ですよ!」
「いや~ それだけの理由じゃ・・・」
「何度も何度も壁に耳をつけて隣の人の声を聞いたんだけど、やっぱり声を発したことは一度もないんですよ」
女神隊員は困ったというジェスチャーをしました。
「あの~ですねぇ、宇宙人だと通報してくれるのはとてもありがたいんですけど・・・ それだけの理由じゃ宇宙人とは判断できませんよ」
「ええ~ あなた、隣りの部屋に宇宙人が棲んでてもいいんですか?」
「いいんじゃないですか。実は私も宇宙人なんですよ」
「え、ええ~っ? あ、あなた、もしかしてヘルメットレディさん?」
この瞬間女神隊員はしまったと思いました。しかし、時すでに遅し。電話越しの男が声色を変えました。
「いや~ うれしいなあ。ヘルメットレディさんと話ができるなんて~!」
おいおい、「隣りに宇宙人が棲んでてもいいんですか?」と訴えていた人が言うセリフですか、これは? 男の話は続きます。
「あの~ 今度、うちのイベントに出てくれませんか?」
「ええ~?」
「いや~ 実は私、イベント会社の社員をやってて、今度うちのイベントに出て欲しいんですよ~」
女神隊員は黙ってしまいました。男の話はさらに続きます。
「あ、ギャラは出しますよ。たくさん出しますから! だからうちのイベントに・・・」
女神隊員はここで電話を切ってしまいました。と、女神隊員は隊長を見ました。隊長は何事もなかったようにアニメを見てました。女神隊員は今の電話の受け応えが悪いと怒られるんじゃないかと心配しましたが、特に注文はないようです。女神隊員はふーっと息を抜きました。
ちなみに、テレストリアルガードには交換台があります。外部からの電話はすべてここで受け、重要と思われる電話のみ、オペレーションルームにつなげるシステムになってます。さきほどの男はこのあと何度もテレストリアルガードに電話をかけましたが、2度と女神隊員につながることはありませんでした。
女神隊員はオペレーションルームのコンソールの前に座ってます。上溝隊員がいつもやってるようにファッション雑誌を読んでのかと思いきや、なんとバイクの教則本を読んでました。女神隊員は先日バイクに乗ったことでバイクに興味を持ってしまったようです。しかし、女神隊員は宇宙人。はたして宇宙人がバイクの免許を取れるのでしょうか? なお、女神隊員は今、バイクの教則本を読むために自動翻訳機がついているフルフェイスのヘルメットをかぶってます。
ちなみに、オペレーションルームとサブオペレーションルームの間の自動ドアは常時開けっ放しになってるので、実質1つの部屋になってます。
今コンソールについている固定式電話が鳴り、女神隊員がその受話器を取りました。
「はい、もしもし、テレストリアルガードです。事件ですか? 事故ですか?」
て、そのセリフ、なんかおかしいような。どこで覚えたんでしょうか?
それに対する電話からの声。
「あ~ もしもし、テレストリアルガードさん?」
「はい」
「あの~ 隣の人が怪しいんです」
「はい?」
「私、今アパートに住んでるんですけど、隣りに住んでる人がどうも怪しいんですよ。1ケ月前に引っ越してきたんだけど、1度も口を聞いたことがないんですよ。もしかしたら宇宙人かも?」
「はぁ、それだけで宇宙人と決めつけちゃうの?」
「ほら、5年前攻めてきた宇宙人の8割はコイダ星人だったんですよね。コイダ星人は外見上は地球人と瓜二つだけど、声帯は未発達だから口がきけないて話じゃないですか。あれは絶対宇宙人、コイダ星人ですよ!」
「いや~ それだけの理由じゃ・・・」
「何度も何度も壁に耳をつけて隣の人の声を聞いたんだけど、やっぱり声を発したことは一度もないんですよ」
女神隊員は困ったというジェスチャーをしました。
「あの~ですねぇ、宇宙人だと通報してくれるのはとてもありがたいんですけど・・・ それだけの理由じゃ宇宙人とは判断できませんよ」
「ええ~ あなた、隣りの部屋に宇宙人が棲んでてもいいんですか?」
「いいんじゃないですか。実は私も宇宙人なんですよ」
「え、ええ~っ? あ、あなた、もしかしてヘルメットレディさん?」
この瞬間女神隊員はしまったと思いました。しかし、時すでに遅し。電話越しの男が声色を変えました。
「いや~ うれしいなあ。ヘルメットレディさんと話ができるなんて~!」
おいおい、「隣りに宇宙人が棲んでてもいいんですか?」と訴えていた人が言うセリフですか、これは? 男の話は続きます。
「あの~ 今度、うちのイベントに出てくれませんか?」
「ええ~?」
「いや~ 実は私、イベント会社の社員をやってて、今度うちのイベントに出て欲しいんですよ~」
女神隊員は黙ってしまいました。男の話はさらに続きます。
「あ、ギャラは出しますよ。たくさん出しますから! だからうちのイベントに・・・」
女神隊員はここで電話を切ってしまいました。と、女神隊員は隊長を見ました。隊長は何事もなかったようにアニメを見てました。女神隊員は今の電話の受け応えが悪いと怒られるんじゃないかと心配しましたが、特に注文はないようです。女神隊員はふーっと息を抜きました。
ちなみに、テレストリアルガードには交換台があります。外部からの電話はすべてここで受け、重要と思われる電話のみ、オペレーションルームにつなげるシステムになってます。さきほどの男はこのあと何度もテレストリアルガードに電話をかけましたが、2度と女神隊員につながることはありませんでした。
更新日:2017-10-15 17:36:50