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End of Odyssey
「そう簡単には死なせませんよ」
お淑やかでありながら、筋が一本しっかり通った声が聞こえた気がした。
「んっ・・・・・・」
静かに目を開く。しかし、光が眩しくて目を細めてしまう。なので光に徐々に目を慣らしながらもう一度開く。
「ここは天国か。いや・・・・・・」
視界に広がる白い風景。彼と戦ったあの空間の崩壊と共に散ったこの命。天国に来たのかと錯覚したが今までの数々の所業を考えれば天国ではなく地獄に叩き落とされるのが妥当である。とも考えたがどうやら自分は死んではないようだ。その証拠に心臓はしっかり鼓動している。
「それにしてもここは一体どこなんだ・・・・・・?」
自分が横たわっているベッド、それがある白い壁紙の部屋。ご丁寧にドアと窓までついているが、身体が痛んでまともに起き上がれず外の様子を伺うことは出来ない。
どうしたものかと考えているとがちゃりとドアが開き、外から誰かがやってきた。
「・・・・・・! やっと目を覚ましてくださったのですね!」
いつか聞いたことのある、どこか懐かしく優しい声。その声の主はパタパタとスリッパの足音をたてながらベッドの脇まで小走りしてきた。
「なんで貴女が・・・・・・。なんでいるんですかエリカ・・・・・・さん」
「今更さん付けしなくてもいいのですよ?」
優しく微笑みながら告げる女性。かつてカントー地方タマムシシティのジムリーダーを務めていたエリカ・・・・・・さんであった。
「貴女には・・・・・・あまり会いたくなかった」
「そうなのですか? わたくしはとても会いたかったのですけれど」
優しい声と微笑むその顔は今の自分にはとてもつらい。この人には合わせる顔がないのだから。
お淑やかでありながら、筋が一本しっかり通った声が聞こえた気がした。
「んっ・・・・・・」
静かに目を開く。しかし、光が眩しくて目を細めてしまう。なので光に徐々に目を慣らしながらもう一度開く。
「ここは天国か。いや・・・・・・」
視界に広がる白い風景。彼と戦ったあの空間の崩壊と共に散ったこの命。天国に来たのかと錯覚したが今までの数々の所業を考えれば天国ではなく地獄に叩き落とされるのが妥当である。とも考えたがどうやら自分は死んではないようだ。その証拠に心臓はしっかり鼓動している。
「それにしてもここは一体どこなんだ・・・・・・?」
自分が横たわっているベッド、それがある白い壁紙の部屋。ご丁寧にドアと窓までついているが、身体が痛んでまともに起き上がれず外の様子を伺うことは出来ない。
どうしたものかと考えているとがちゃりとドアが開き、外から誰かがやってきた。
「・・・・・・! やっと目を覚ましてくださったのですね!」
いつか聞いたことのある、どこか懐かしく優しい声。その声の主はパタパタとスリッパの足音をたてながらベッドの脇まで小走りしてきた。
「なんで貴女が・・・・・・。なんでいるんですかエリカ・・・・・・さん」
「今更さん付けしなくてもいいのですよ?」
優しく微笑みながら告げる女性。かつてカントー地方タマムシシティのジムリーダーを務めていたエリカ・・・・・・さんであった。
「貴女には・・・・・・あまり会いたくなかった」
「そうなのですか? わたくしはとても会いたかったのですけれど」
優しい声と微笑むその顔は今の自分にはとてもつらい。この人には合わせる顔がないのだから。
更新日:2017-08-09 15:02:26