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前のページの続きです。

トンネルを抜けた先には

「! スゲー・・・」
「ピカ〜・・・」
「「はぁ〜・・・」」
「チョゲプリ〜・・・」
一同ぽかんと間抜けな顔になってしまう

そこは、まさに、森の楽園と言っても過言では無いくらいに、神秘的な場所
それに、他所では出会う事のない、珍しいポケモンが大勢暮らしていた

「森の声って・・・何だろうな?」
「え? そりゃ・・・」
「木々のざわめき、川のせせらぎ、ポケモンの声・・・森には様々な音がする、それが森の声なんじゃないか?」
「ああ、確かに、街じゃまずお目にかかれないものよね・・・空気が綺麗、美味しいわ〜、まさにマイナスイオンたっぷりって感じね〜」
「そうだな・・・歩いてみるか?」
「ええ」
「ああ」
「ピカ」
「チョゲ」

さくさくと苔むしる地面を歩き散策してみることに

木々の隙間からこぼれ落ちる光に、うっとりと見惚れる

「本当に・・・」
マサラの森にそっくりだ

「サトシ?」
「ピカピ?」
「チョゲ?」
「どうした?」
「ん? ああ、ここ、俺が大好きな場所に似てるからさぁ? 懐かしいな〜って」
「それ、さっき聞いたけど・・・何処にあるの?」
「マサラタウンの近くの森だ」
「へ〜、こんな風な森なのか?」
「ああ、マサラの森も、ポケモンがのびのび出来る森なんだ、この森は、あの森と似てる・・・凄く」
「「・・・」」

さわさわとそよ風が吹いて、彼の帽子からはみ出す髪がなびく
その際の表情は常に彼を知る、カスミ達には、ハッと目を見張るほどに、儚く見える笑みが乗る表情を見ては、瞬きをしつつ凝視してしまった

「サトシ?」

何故だろう、消えてしまいそうに思うのは・・・

その時

「「「!?」」」
「ピカ!?」
「チョゲ!?」

森が、突如ざわめき出す

不思議な波長があたりを包み込むのと同時に、不思議な音が響く

「これ・・・!?」
「チョゲ!?」
「これが、森の声か!?」
「あっちからだ!」
「ピカ!」

「!? あっ、ちょっとサトシ待ってよ!!」
「チョゲチョゲプリー」

「ちょ、おまえら、動くなって言われただろう!? ああもうーー!」

サトシが走り出すのに、慌てて、カスミが後を追いかけて行き、言いつけを守らなければと思い、躊躇するタケシも諦めて、その方向へと走り出す




「! 誰か倒れてる!」
「ピカ!」

「!? 本当、タケシ! あの子助けるわよ!」
「分かった!」

全員、倒れる見たことのない少年へと近づく

「おい、おいって、しっかりしろよ!?」
「ピカチュウ!?」
「サトシ、急に動かすな! 頭を打ってるかもしれない」

抱き起すサトシを押し留めて、タケシは、脈と息をしているか確かめつつ、頭の方も確かめてみる

「どう? タケシ?」
「ピカ?」
「チョゲ?」

「大した事ないようだ、でも、目を覚まさないのは心配だな、一旦、森を出て、トワさんとミクさんを頼ろう」

「分かった、タケシ、俺の荷物頼めるか? 俺が背負うよ」
「ああ、分かった」
「サトシ、手伝うわ」
「ありがとう、カスミ」

こうして、サトシ達は、少年と共に、一旦、森を抜ける

その背後の祠の裏に、緑のポケモンがいて、森の奥へと飛んでいったとも知らずに・・・

少年のみに、気を取られていた


この少年に何があったのか

そして、森に消えたポケモンは・・・

何が起こっているのだろうか

続く

更新日:2017-07-23 14:54:50

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