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続き2

40年前



ひゅん

「追え!! 逃すんじゃないぞ!! ストライク! ヘルガー!!」


「ストライ!!」
「ヘル!!」




だれか!! たすけて!!








1人の少年が

歩いていた
腕には、スケッチブックを持ち

森の中へと入ろうとしている



「待て! 森に入ってはダメよ!」
「!? え!?」

木の根が、何重にも重なり合い
まるで、人や何かを拒んでいるかの様に、砦の様にそびえる上から
人が、降ってくる

(お、女の人?)

実に興味深い女性だった、民族衣装だろうか、自分と異なる服装をしていた


「森に入って、もしも、森の声が聞こえたら、その場から動いてはいけないわ」
「? 森の声?」
「ええ、そうよ、私の村の言い伝えなの、まあ、私は聞いたことないけど、でも、そういう決まりなのよ、この森は、とっても神聖で、森の女神様が守る森だからか、その女神様を怒らせると、神隠しにあうって」
「!? 森の女神様?」
「ええ、ふふ、何もないかもしれないけど、言い伝えも、侮れないものがあるから、用心して?!」
「はい! ご親切にも、教えて頂きありがとうございます」
「いいのよ、これは、森へ入る人への決まり文句の様なものだから、あ、そうだ、途中お腹が空いたら、これ、食べて?」
「! わ〜、美味しそう〜」
とっても香ばしい匂いに、食欲が湧いてくる
「この森で採れた木の実で作ったの、私が作ったものだから、お口に合うか分かんないけど、良ければね?」
「貰います。 ありがたいです。 僕、お昼忘れちゃったんで」
「あら、それは、うっかり屋さんね? 旅するならお弁当用意するの基本でしょう?」
「うっ!」
「ふふ、まあ、でも、このパンが役に立つなら良かったわ」
「美味しそうですよ、こんな良いものありがとうございます。大事に食べますね?」
「大袈裟よ〜、それじゃ、気を付けて行って? 森の声には注意よ?」
「はい! お世話になりました。 それでは、失礼します」
「ええ、旅の御武運を」

更新日:2022-10-27 09:43:10

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