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・・・
全部、終わりました。
もう世界は平和で、めでたしめでたしです。
めでたしめでたし、なんですけど・・・
思うんです。
魔王が現れて、この世界に危機が訪れたところから、
もう誰かが僕らを操るのが始まっていたんじゃないかと。
この世界を絶望に包んで、それを打ち払う勇者を作って、
めでたしめでたしって喜んでいる人がいるんじゃないかと。
その人の手はこの世界から離れたんじゃないかと。
・・・僕は、なんだったんでしょう。
あの魔王はなんだったんでしょう。
苦しんだ人々はなんだったんでしょう。
暴れまわった魔物たちはなんだったんでしょう。
僕の・・・僕のたった一人の親友は、なんだったんでしょう。
今でも忘れられないんです。
彼の最期。
すごく苦しかった。
裏切るのを決めたきっかけの少し前あたりから、彼おかしかったんです、なんだか。
変に意味ありげな態度とったり、
今までの彼だったら絶対しないだろうことしてたんです。
裏切るのを考え始めたから、とかじゃなくて、
彼の性格から考えたら、絶対合わないことしてたんです。
大体、劣等感だとか嫉妬だとか、そんなこと気にするような人じゃなかったし。
そういうのがあったら、自分を奮い立たせて
そんな感情をとっとと追っ払おうとする人だったんです、彼。
それが上手くいかなかったら、誰かに正直に打ち明けて、
自分を客観的に見て気持ちを落ち着けられるようにするんです。
そういうことが今までにもあったんだから嘘じゃありません。
彼は、僕なんかより、ずっと正義感があって、人のためになることを考えていて・・・
正義や正しさを勘違いしたり、自分の中の悪いものに騙されたりして、
誰かを傷つけたり、罪を犯すような人じゃなかったんです。
少し間違った方を向いても、自分でそれに気がついて
ちゃんと正しい方に向き直れる人だったんです。
だから・・・変なんです。
裏切ったのは彼じゃない・・・
だから、今でもとても苦しいんです。
僕だって・・・僕だって、
どんなことがあっても、たった一人の親友を・・・
殺したりできるほど、勇気のある人間じゃ、ないはずなんです・・・
そもそも、僕に勇者の素質なんて、絶対ないんです。
そんなにいい人間じゃない・・・
・・・彼を殺したときのこと、思い出すと、吐き気がするんです。
悲しくて、苦しくて、泣きたくて、身体がばらばらになりそうな感じがするんです。
頭が痛い。
もう嫌・・・嫌です。
これから僕はどうしたらいいんでしょう。
誰が僕をほめても、めでたしめでたしなんて言っても、
僕は・・・こんな世界、嫌い・・・
何も起こらないで、普通に生きて、彼とずっと親友でいたかった。
平和は戻ってきても、苦しんだことはなくならないし、
死んじゃった人たちも、帰ってはこないんでしょう。
だったら・・・何も起こらないほうが、よかったじゃないですか。
僕らを操っていた人たちは、何がしたかったんですか?
どうせ平和が戻るなら、平和なままでもよかったのに。
そっちの方が、ずっと、幸せだったのに・・・
返して、僕の世界を、返して・・・
僕の将来を、希望を、たった一人の親友を、返して・・・
嫌い、嫌いだ、こんなの・・・みんな・・・嫌い・・・
大嫌い・・・
こんな世界なんて、いらない・・・
全部、終わりました。
もう世界は平和で、めでたしめでたしです。
めでたしめでたし、なんですけど・・・
思うんです。
魔王が現れて、この世界に危機が訪れたところから、
もう誰かが僕らを操るのが始まっていたんじゃないかと。
この世界を絶望に包んで、それを打ち払う勇者を作って、
めでたしめでたしって喜んでいる人がいるんじゃないかと。
その人の手はこの世界から離れたんじゃないかと。
・・・僕は、なんだったんでしょう。
あの魔王はなんだったんでしょう。
苦しんだ人々はなんだったんでしょう。
暴れまわった魔物たちはなんだったんでしょう。
僕の・・・僕のたった一人の親友は、なんだったんでしょう。
今でも忘れられないんです。
彼の最期。
すごく苦しかった。
裏切るのを決めたきっかけの少し前あたりから、彼おかしかったんです、なんだか。
変に意味ありげな態度とったり、
今までの彼だったら絶対しないだろうことしてたんです。
裏切るのを考え始めたから、とかじゃなくて、
彼の性格から考えたら、絶対合わないことしてたんです。
大体、劣等感だとか嫉妬だとか、そんなこと気にするような人じゃなかったし。
そういうのがあったら、自分を奮い立たせて
そんな感情をとっとと追っ払おうとする人だったんです、彼。
それが上手くいかなかったら、誰かに正直に打ち明けて、
自分を客観的に見て気持ちを落ち着けられるようにするんです。
そういうことが今までにもあったんだから嘘じゃありません。
彼は、僕なんかより、ずっと正義感があって、人のためになることを考えていて・・・
正義や正しさを勘違いしたり、自分の中の悪いものに騙されたりして、
誰かを傷つけたり、罪を犯すような人じゃなかったんです。
少し間違った方を向いても、自分でそれに気がついて
ちゃんと正しい方に向き直れる人だったんです。
だから・・・変なんです。
裏切ったのは彼じゃない・・・
だから、今でもとても苦しいんです。
僕だって・・・僕だって、
どんなことがあっても、たった一人の親友を・・・
殺したりできるほど、勇気のある人間じゃ、ないはずなんです・・・
そもそも、僕に勇者の素質なんて、絶対ないんです。
そんなにいい人間じゃない・・・
・・・彼を殺したときのこと、思い出すと、吐き気がするんです。
悲しくて、苦しくて、泣きたくて、身体がばらばらになりそうな感じがするんです。
頭が痛い。
もう嫌・・・嫌です。
これから僕はどうしたらいいんでしょう。
誰が僕をほめても、めでたしめでたしなんて言っても、
僕は・・・こんな世界、嫌い・・・
何も起こらないで、普通に生きて、彼とずっと親友でいたかった。
平和は戻ってきても、苦しんだことはなくならないし、
死んじゃった人たちも、帰ってはこないんでしょう。
だったら・・・何も起こらないほうが、よかったじゃないですか。
僕らを操っていた人たちは、何がしたかったんですか?
どうせ平和が戻るなら、平和なままでもよかったのに。
そっちの方が、ずっと、幸せだったのに・・・
返して、僕の世界を、返して・・・
僕の将来を、希望を、たった一人の親友を、返して・・・
嫌い、嫌いだ、こんなの・・・みんな・・・嫌い・・・
大嫌い・・・
こんな世界なんて、いらない・・・
更新日:2017-07-22 09:16:07