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 上空に2機のストーク号がこつ然と現れました。かなりの上空のようです。ストーク1号のコックピット内、寒川隊員の発言です。
「もうすぐ目の前を未確認飛行物体が通過します」
 隊長が応えました。
「よーし、砲塔を出せ!」
「はい!」
 ストーク号の上部から2基の砲塔が出現。もう1機のストーク号からも2基の砲塔が現れました。隊長はトリガーに手をかけました。自動照準装置がピーっと鳴りました。
「今だ!」
 隊長がトリガーを引くと、2基の砲塔がビームを発射。それが上空に向かって放たれました。が、特に変化はなく、素通りしていきました。隊長はちょっと悔しそうです。
「ちっ! はずしたか・・・」
 が、もう1機のストーク号が放ったビームがヒットしたようです。空中で火花が散りました。隊長は思わず感嘆の声を挙げました。
「よーし、ナイス!」
 トリガーを握ってる倉見隊員です。
「ふっ、これくらい簡単ですよ」
 が、寒川隊員がレーダースコープを見て、否定的な発言をしました。
「でも、まだ飛んでます!」
 隊長は悔しがってます。
「ちっ、致命傷じゃなかったか・・・ よし、追いかけるぞ!」
 寒川隊員と橋本隊員がそれに応えました。
「了解!」

 2機のストーク号が見えない敵を追って、降下していきます。ストーク1号の隊長の発言。
「くそーっ、角度がよくないなあ。この角度でビームを撃ったら、地上に被害が出ちまう・・・」
 寒川隊員が語りました。
「しかし、やつら、なんなんでしょう?・・・ ユミル星人は認識ステルス機能は持ってないはずだし・・・ もしや、ヴィーヴル?」
「うちらの窮地を救ってくれた軍隊をあまり悪く言いたくはないが・・・ この技術、宇宙ではどれくらい広がってるんだ?」
 と、ここで無線が鳴りました。上溝隊員です。
「隊長、ストーク号の後ろに国籍不明機が1機あります」
「何?」
「どうやら大気圏外から未確認飛行物体を追い駆けてきたようです。敵味方識別装置は味方を示してますが、国籍は不明です」
 寒川隊員が隊長に質問しました。
「どこの飛行物体なんでしょうか?・・・」
「敵味方識別機能がついてるてことは、地球上の飛行物体だな・・・」
 隊長はそれ以上は応えませんでした。

 一方こちらは見えない宇宙船のコックピットです。円卓のようなコンソールに4人が十字に座ってます。どこから来た宇宙人なのかは不明ですが、かなり地球人に姿形が酷似してます。全身黒っぽい金属色の服を着ています。とりあえず4人をA・B・C・Dとしましょう。まずBがAに話かけました。
「ダメです。ついてきます!」
「くっそーっ、やつら、この船の認識ステルス機能を見破る技術を持ってるのか?」
 今度はCの発言。
「まもなく地上です」
 頭上のスクリーンには、広い広い野原が映ってます。中には道路もあり、畑もあり、牧草地もあり、家や小屋が点々と建ってます。ここで再びAの発言。
「くそーっ、山か谷はないのか?」
 ここでDが立ち上がりました。
「自分が行きます!」
「いいのか?」
「はい!」
 Aはちょっと考え、それから発言しました。
「じゃ、頼む」

 見えない宇宙船を追う2機のストーク号。そのストーク1号のコックピットです。まず寒川隊員の発言から。
「まもなく地上です!」
 隊長はレーダースコープを見てます。今宇宙船の影から何か別の影が飛び出ました。
「ん? 何か飛び出したぞ?」
 隊長はヘルメットの無線機に話しかけました。
「橋本、宇宙船から何か飛び出した。脱出用の船らしい。お前たちは元の宇宙船を追ってくれ。オレたちは飛び出した宇宙船を追う!」
「了解!」
 レーダースコープを見ると、飛び出した宇宙船は地上に降りたようです。隊長はそれを見て、
「脱出用の宇宙船が地上に着いたな」
 それを聞いて後部補助席の女神隊員は疑問を持ちました。こんなにハードに着陸する脱出用宇宙船はないんじゃないのか?

更新日:2017-10-26 20:09:25

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