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定位置

もぞもぞ。

ごろん。

・・・ぴたっ。


あ。落ち着いた。


やっぱり抱き枕になっちゃってるなあ。俺。

何年も離れていたのに、身体が覚えてるってすごい。


留学前に大ちゃんにプレゼントした抱き枕は、ベッドから追いやられ床に落ちている。


「ごめんね。留守を守ってくれてたのにね。」


俺がいない間、ずっと大ちゃんの抱き枕としての役割を担っていたであろうに、

急にぞんざいに放り出されて、拗ねているように見える。


「うんうん。がんばってたよね。ありがとうね。」


落ちていた抱き枕を拾い上げて、どこが頭かわかんないけど、頭をぽんぽんと撫でてやる。

正真正銘抱き枕として生を受けたこの子が不憫だけど、ちょっぴり優越感もある。


俺をぎゅぎゅーっと抱きしめて、すうすうと気持ちのよさそうな寝息を聞いていると、

やっぱり俺を抱きしめてるのが一番落ち着くんだよね。と心がほわんとなる。



「背中にぬくもりがあるって、やっぱり安心する。」


大ちゃんが何かを抱きしめると安心して眠れるように。

俺は背中にぬくもりがあると安心する。


「やっぱりね。ここが一番だよね。」


俺を抱きしめている腕にちゅ、とくちづけた。



ごそごそ。

ぎゅ。



一段と大ちゃんの腕に力が入った。




更新日:2017-08-29 19:27:19

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それでも、大まおが一番!その3(2017)