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夜にであうもの

このような時間にと言っていいのだろうか分からないくらいの時間。
人気少ない神社の道沿いを悠然と女が一人歩いていた。
幸い明るく照らす満月と電灯が煌々と道を照らしている。
ふと空を見上げて、何もない空間に目を泳がせると女はピタリと足を止めた。
「…ふむ。」
そう言うと深く息を吐く。
顎付近を触る手にぶら下がったビニール袋ががさりと音のない空間に静かに音を彩った。
なにも無い空間で何かを追うよに顔だけ動かし…。
「…この私に触れるとでも、思っているの?」
あきれた声で、女は言う。何者かが女の目には映っているのだろうか。
そう言いながら、女は腰元に手を持っていくが、その手は虚しく空を切った。
「…あら?」
女はガサガサと音を立てながら空を切った腰元を見た。
「あら、やだ…。置いてきたんだった。やーねぇ忘れっぽくて」
苦笑いを浮かべながら、空を見まわし、少しずつ、後ろに後ずさる。
「あー、もー、雑魚は数で押そうとするからぁ…。」
何かが、何かに当たったよな金属音の様な高い音が火花とともに辺りに響く。
…、ちょっとこの数はやばいかなぁ…。
心の中で呟いて、そのまま逃げるかと、振り帰ろとして女は何かを見つけたかの様に目を見張り一瞬動きを止めた。
かと思うと、そのまま前に突進していく。
「これは…天の助け…かな?」
と、女は笑う。

更新日:2017-06-21 22:41:21

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(刀剣乱舞クロスロード)夜に出逢うもの