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2.Alma & Izlude

 ラムザとメリアドールと行動を共にしていたアルマが、二人と別れるのは中々に大変だった。
 アルマだけならまだしも、それは今共に旅するもう一方にも問題があった。
 アリシアが、旅の途中にちょうど出くわしてくれなかったら、延々とあの草原で不毛な話し合いが続いていたろう。
 四人で頭を突き合わせて、半ば声高になっていたところへアリシアが来、
『こんなところでどうしちゃったの。これはもう、どこからどうみても、婚礼が決まる前の家族会議ね』
 と笑いながら言った。まさしくその通りだと思った四人は赤面し、沈黙した。
 世の中は、やはり、人智を超えた不思議なことが起こるものなのだ。どうしてそうなったか、なぜここに現れたのか、理由は何もわからない。ただ、解るのは、真実なのは、間違いなく今そこにいるということだけ。
 そう知ったら、いてもたってもいられなくなったのだ。互いに。
 しかし、二人の兄と姉は反対をした。互いに両家でここで別れようという兄姉と、共に、と願う彼の妹と、彼女の弟。
 アリシアは言った。
『それならもう、いっそのこと二人でいかせればいいじゃない。兄弟だけでいたって、何も始まらないわよ。私たちは、ほら、新しく、生き始めるんじゃなかったっけ?』
 ラムザとメリアドールと違って、二人はあまり顔も知られていないし、ほら、そっちの方がいいじゃない。とアリシアは半ば強引にそうまとめた。そして、「そう言えば、彼の英雄王様は、一息つかれているらしいわよ」と、ラムザの背を押したかとおもうと今度はメリアドールの手をとって、「さあ、いきましょう、メリアドール姐さま」と、共に旅に誘った。
 戸惑う二人を尻目に、アリシアは、若い二人に目配せをして、先へ行かせた。
「どこへ、行こうか」
「ええ、どこへでも。本当は、私、あまり世界をよく、知らないの」
 そうか、と頷いたイズルードは、ふと思い立って、くすり、と笑い、そうだな。と、もう一度頷いだ。
「俺もだよ」

更新日:2017-06-20 00:54:01

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