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小説

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挿絵 800*534




ユリウスが次に弾き始めた曲は、チャイコフスキーの「バルカローレ」だった。
ピアノ曲集「レ・セゾン」(四季)の中の一曲である。

運河を巡る小舟のもの哀しい旋律。
サンクト・ペテルブルクの街並みが目に浮かぶ。



https://www.youtube.com/watch?v=RTBVxK65iIw
【Piotr Ilitch Tchaïkovsky, «Les Saisons: Juin – Barcarolle», par Ilya Rashkovskiy】



思わず、サイドボードの上にある象嵌(ぞうがん)細工の美しい小箱を見る。
かたわらには、兄貴とアルラウネの写真が飾られている。兄貴の最後の写真だ。

おれがアルラウネと袂(たもと)を分かったのは1905年。
あれから20年近くになる。今、どうしているのだろう。


更新日:2018-10-07 15:52:45

もうひとつの伯林(ベルリン)オルフェウスの窓ss Op.6