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鞍馬天狗と鬼の首領

━━━鞍馬山

魔王尊 鞍馬天狗の結界内に侵入した蔵鬼矢は、そのまま鞍馬天狗の住み家へ案内されていた

そして、鞍馬天狗の屋敷に招かれ酒を出されて晩酌していた

蔵鬼矢「烏天狗は、今日は居ないのですか?」

魔王尊「ふふっ、今日はそなたが来るから私一人だ」

そう言って魔王尊は蔵鬼矢が座っている方へ歩み寄り、その躰に身を委ねた

蔵鬼矢の頬に触れて言う

魔王尊「本当に、そなた美しい鬼だな…」

蔵鬼矢「そなたこそ…美しい天狗ではありませんか」

魔王尊「私か…そんなに美しいと思うなら、私を欲しいとは思わぬか?」

蔵鬼矢「私を…誘っているのですか? 悪いお方だ」

目の前には、まるでこの世の物とは思えない程の美しい狐がいる

正直、銀狐蔵馬よりも美しいと思う

蔵鬼矢は魔王尊の顎を持ち上げ深く口付けた

魔王尊「…ん」

そして、魔王尊をゆっくりと押し倒し、白い白皙の肌に手を触れた

蔵鬼矢「烏天狗が見ていたら、私は殺されますね、きっと」(にっこり)

乱れる衣服…

白い素肌…

16歳の時のまま、その時を止めた身体はすべらかな少年のまま

喘ぐ声は、まるで女のように高い声だった

(続く)





更新日:2019-06-16 18:10:08

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