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カントさん、泣かないで

私は、40才で、また入院になりました。私は母にぬいぐるみを持ってきてほしいと頼み、毎晩そのぬいぐるみに抱きつきました。

「カントさん、カントさん・・・」と言って。

カントさん・・・私の幻覚の、精神病の原因となってしまった大好きなカントさんは「すまない、私の哲学を研究してほしくて君を病気にしてしまった」と言って泣くのでした。

毎晩、20分だけ、安らぎのときが訪れ、昼間は病棟で哲学を研究する入院生活でした。

更新日:2017-05-20 13:56:18

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