これは2568年のこと。
バルケイト帝国のチージスという都市。
この都市であの事件が起きた。

10月16日の朝。
奇妙な地響きが鳴った。遠くのビルから黒煙がたちこめている。
この時、僕は何が起きたのか理解できていなかった。
まさか、あの地響きがこれほどまでに大きな事件になるなんて...

「お母さん、あの煙何?」
「本当だ。何でしょう?事故でも起こったのかしら?ねえ、お父さん。あれ何だかわかる?」
「わからないな。まあ、いい。あの過激派組織だろ。よくあることだ。すぐ保安局が解決するだろうな。」

そうこの頃、過激派組織が各地でテロを起こしていた。
しかし、この過激派組織に関する情報は保安局や軍、憲兵団などの防衛組織は一切掴めていなかった。

「行ってらっしゃい。今日も頑張ってね、お父さん。」
「うん。じゃあね。」

3時間後ことが進展した。
大きな警報音が鳴り響いた。緊急避難命令が下された。
僕は、逃げた。ただ、逃げた。
爆発の起きたビルから遠く離れた所へと...

地下の避難所へ着いた。そこにある一報が届いた。
『お父さんがお亡くなりなられた。』
お母さんは泣き崩れていた。
僕は何が起きたのかこの頃、全くわからなかった。
「何があったの?」