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 破天荒は微睡みの中で目を開けると、視界は首領パッチの顔で一杯だった。アーモンド型の大きな瞳に見詰められて、何だこの夢最高じゃねーか今日は一日夢の中だぜ、と思いながら夢なので躊躇なく抱き締めたその抱き心地はリアルで触れ合う肌は暖かく、トゲを掴むとマシュマロの様に柔らかく、そして腕の中の首領パッチが驚いたように全身をビクリと跳ねさせた。反応までもがリアルなせいで下半身が反応しそうになり、夢とは言えこれは拙いと思うが夢なのだから構わないじゃないかと思い、これ以上やれば引き返せない危機感を感じながらも夢なのだから通常では有り得ない反応を体が示すのは当たり前なのかも知れないと考えれば、荒唐無稽なのが夢なのだからこれはノーカンだろうと開き直って首領パッチの額に頬を擦り寄せると首領パッチが逃げる様に動いたが、夢なのだから強引に行ってしまえ一線さえ越えなければ俺まだ大丈夫、と抱き締める力を強めようとした瞬間、脇腹に激しい衝撃を受けた。
「ゴハッ!!!」
「起きろデコッ八!」
 衝撃はパンコが飛び乗って来たせいで、激しい痛みと口から内臓が飛び出すかと思う程の圧力を受けて完全に目が覚め、目が覚めたのにまだ首領パッチがベッドの中にいる事に驚いた。のぼせた様に頬を赤く染める首領パッチがジッと動かずに動揺を露わに上目遣いに見詰めて来ていて、夢ではなかった事と自分がしようとしていた事の重大さに気付き、良く知らない人間に抱かれるなんてどんなに飼い慣らされた動物でもストレスとなるのにそれを意外にもデリケートな首領パッチにしてしまってショック状態に陥らせてしまったと焦った。
「わりぃ、寝惚けて――」
「起こしに来てくれた首領パッチ君を引きずり込んでまで寝てんじゃないの!」
 パンコの言葉に遮られて最後まで言えなかったが首領パッチがコクコクと頷いたので詫びの言葉は通じたのだろうとひとまず安堵したが、ベッドから降りようとする首領パッチがガクガクとした動きで布団とシーツに足を取られてもがいているのが気になった。
 首領パッチは頷きながらもまだ動揺が収まらず、破天荒がまだ起きていないと聞いてドッキリ番組の寝起きシリーズのつもりで破天荒の部屋にコッソリ入ってコッソリベッドに忍び込んで気配に気付いて起きて吃驚されるのを待っていただけなのに抱き締められてトゲを卑猥に揉まれてとてもドキドキしていた。動揺から来る激しい心拍数は手足の動きまでぎこちなくし、

更新日:2017-04-19 01:27:03

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