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【第一部】 さあ、恋のキックオフ!
浮かれ、楽しい夏休み。
連日、目にも眩しい太陽がギラギラと猛威をふるい、
ダラダラと汗が顔からしたたり落ちる酷暑の中────
工藤邸のリビングでは何とも涼し気なイケメン面(づら)した男三人が、
珍しく真面目な顔をしながら、膝をつき合わせて話し込んでいる。
「記憶喪失!?」
男二人の驚く声がリビングに響き渡る。
「誰が記憶喪失なんや?」
「だから、灰原だよ!」
「えー、まさかあの天才児の哀ちゃんが…………
記憶を失くしちまったのか?」
「そうだよ、何も覚えてねーんだよ」
リビングに集まっていたのは工藤邸の主(あるじ)でもあり、
かつては日本警察の救世主とまで騒がれたほどの名探偵で、
最近まで行方をくらましていた工藤新一。
そして、工藤新一が東の高校生探偵なら、西の高校生探偵と呼ばれ、
新一のライバルで親友の服部平次。
それから、もう一人…………
なぜか探偵とは敵対する立場にいるはずの男、世間を騒がす大怪盗──
泥棒なのに、高校生探偵・工藤新一とタメを張るくらい多数の女性ファンを持つ、
怪盗キッドこと黒羽快斗の三人だった。
彼らはただいま青春真っ盛りの高校三年生。
遡ること二カ月前──。
工藤新一が江戸川コナンになってから一年もの時を経て、
ついに黒の組織が崩壊した。
黒の組織の崩壊に伴ってAPTX4869の実験データをFBIから入手すると、
灰原哀が待望の解毒剤を完成させることに成功したのだ。
いち早く江戸川コナンは解毒剤を服用し、念願かなって、
ようやく工藤新一の姿に戻ることができた。
それがちょうど二週間前、帝丹小学校が夏休みに入った直後の出来事だった。
コナンが元に戻ったその一週間後には、今度は灰原哀が解毒剤を服用したのだが…………
宮野志保として目覚めた時にはすべての記憶を失っていた──。
連日、目にも眩しい太陽がギラギラと猛威をふるい、
ダラダラと汗が顔からしたたり落ちる酷暑の中────
工藤邸のリビングでは何とも涼し気なイケメン面(づら)した男三人が、
珍しく真面目な顔をしながら、膝をつき合わせて話し込んでいる。
「記憶喪失!?」
男二人の驚く声がリビングに響き渡る。
「誰が記憶喪失なんや?」
「だから、灰原だよ!」
「えー、まさかあの天才児の哀ちゃんが…………
記憶を失くしちまったのか?」
「そうだよ、何も覚えてねーんだよ」
リビングに集まっていたのは工藤邸の主(あるじ)でもあり、
かつては日本警察の救世主とまで騒がれたほどの名探偵で、
最近まで行方をくらましていた工藤新一。
そして、工藤新一が東の高校生探偵なら、西の高校生探偵と呼ばれ、
新一のライバルで親友の服部平次。
それから、もう一人…………
なぜか探偵とは敵対する立場にいるはずの男、世間を騒がす大怪盗──
泥棒なのに、高校生探偵・工藤新一とタメを張るくらい多数の女性ファンを持つ、
怪盗キッドこと黒羽快斗の三人だった。
彼らはただいま青春真っ盛りの高校三年生。
遡ること二カ月前──。
工藤新一が江戸川コナンになってから一年もの時を経て、
ついに黒の組織が崩壊した。
黒の組織の崩壊に伴ってAPTX4869の実験データをFBIから入手すると、
灰原哀が待望の解毒剤を完成させることに成功したのだ。
いち早く江戸川コナンは解毒剤を服用し、念願かなって、
ようやく工藤新一の姿に戻ることができた。
それがちょうど二週間前、帝丹小学校が夏休みに入った直後の出来事だった。
コナンが元に戻ったその一週間後には、今度は灰原哀が解毒剤を服用したのだが…………
宮野志保として目覚めた時にはすべての記憶を失っていた──。
更新日:2017-04-22 12:08:39