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★★★★★ 前編あらすじ ★★★★★

 昂胤と周は中国に来ていた。

 目指すは嵩山少林寺。途中たまたま寄った食堂で地元のチンピラにからまれたが難なく撃退し、周は10年ぶりに少林寺の門をくぐる。

 館長に温かく迎えられて周は感激する。革布製の地図を見せると同じ物が少林寺にもあった。館長の道宣大師は周を信用し少林寺の地図を貸してくれた。

 話はさかのぼって昂胤探偵事務所。

 留守居をする雄大と夕実は、ある日、昂胤の不在中に大阪から来たという一人の老人の来訪を受ける。老人の名は岩崎米吉。革布製の地図のようなものを見せて謎解きをしてくれという。

 その2~3日後、大阪でひき逃げ事件があり、重症とのこと。その犠牲者が先日の依頼人の岩崎米吉だった。

 その日、中国から周がやってきた。ウォンジャポクタン事件で一緒に闘った仲間で、事件解決後チームは解散したが、昂胤に心酔した周は一緒に働きたいと押しかけてきたのだ。

 昂胤が許すはずなかったのだが、雄大が受けた依頼がらみで少林寺に行くことになり、中国語を話せる周は自然と昂胤の同行者となった。

 昂胤と周が中国に出張し残された雄大と夕実は仲良く留守居をしていたが、二人きりで初めて飲みに行った。

 昂胤とつきあっているのかと夕実に迫る雄大は、逆に、所長のことを兄貴と雄大が呼ぶようになった理由を問い詰められる。

 地図の謎解きをする合間、岩崎米吉の身辺調査のため大阪に飛んだ昂胤と雄大は、芳野という探偵会社の探偵を一人拾った。探偵会社は、米吉に雇われていた。今後何かあれば芳野から報告される。

 また中国に入ったのは雄大を含めて三人。

 前回と同じ食堂に寄ったら、あのときのチンピラのボスが子分にしてくれと周に土下座。ボスの名前は童猛。自分の子分は弟の童威にまかせるという。中国滞在中に限るということでやむなく同行を許す。

 一行は、道宣大師の紹介状を持って白馬寺へ。借り出すことはできなかったが白馬寺にも同じ地図があることが判明。報告のために少林寺を目指す道中、2台の車に尾行された。

 尾行したのは黒社会の王英という男に頼まれたゴロツキ。5人捕まえたが、何も情報を持ってなかったので解放する。
それらを道宣大師に報告する。

 夕実を中心に地図の解析が進む。

 昂胤と雄大が外出をしたので事務所で二人きりになった周と夕実。

 男社会で育った周にとって、夕実はまぶしすぎる存在だった。いつしか夕実に惹かれていく周。ぶきような周は、誰にも打ち明けることなく思いを胸に秘めていた。

 夕実は、昂胤が大の蜘蛛嫌いであることを周に聞いて初めて知った。昂胤を身近に感じる夕実。

 昂胤と雄大は大阪のヤクザにからまれ組事務所に連れて行かれるが撃退し、親分に貸しを作る。

 中国では、最大の敵「雪豹突撃隊」に遭遇する。

 心配をかけまいと詳細を説明していなかった昂胤たちだったが、雪豹突撃隊のことをついに夕実が知ってしまった。中国行きを猛烈に反対する夕実を説得した昂胤は、絶対に死なないと夕実に約束させられる。

 再度中国へ。

 中国では、童猛が行方不明になっていた。

 白馬寺の曇曜が入院中とのことで、また面会できなかった。


更新日:2017-05-31 10:24:27

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