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Новая жизнь ~二人~

ぼくの身体の中にアレクセイの子どもが宿っている。

肺炎を起こしかけて、夫であるアレクセイが駆け込んだ彼の生家であるミハイロフ侯爵家で医師の診察を受けた。(意識がなかったから覚えていないけど)

気が付いた時、アレクセイはいなかった。仕事に向かったと、彼のおばあさまから聞かされたのだけど、ここにいていいのかと思った。
だって、アレクセイは貴族である生家とのつながりと絶っていたのだから。

「アレクセイがね、おまえにここで元気な子を産んでほしい、わたしにそれを助けてほしい言っていったのだよ」

おばあさまは涙を浮かべながらおっしゃった。

アレクセイの赤ちゃん。

彼と一緒になって、彼に愛されて、いつしか彼の子どもが欲しいと思う様になっていた。
それでもなかなかできなくて、ぼくには女としての何かが欠けているんじゃないかと思うこともあったんだけど。

実際、女性だったら当たり前のようにあるはずの月のものが、かなり不規則だった。
ユスーポフ家にいた時には、ないことの方が多かった。それがアレクセイと暮らし始めるときちんと来るようになる。
ただ、だるさや痛み、倦怠感がかなりある。家事がままならないこともたびたびあった。

アレクセイは、ぼくが女じゃないと困るって言ったけど、こんな状態でいいのだろうかと思うこともないわけじゃない。

そんなぼくが身ごもった。

日に日に膨らんでくるお腹。身体の変化に気持ちが付いていかない。

貧弱だとコンプレックスだった胸が大きくなってくる。
これって一時的のことだよね?オークネフに聴いてもはぐらかされるだけ。

不安を振り切る様に、会いに来てくれたアレクセイとの逢瀬は、自分でも驚くくらい彼を求める。
欲求のタガが外れたように、彼を欲しがった。

アレクセイはお腹の子どものことを慮って、あまり求めてこない。ぼくにはそれがもどかしい。

ぼくはあなたが欲しい。もっと愛してほしい。会えないからなおさら。
あなたの腕の中で安らぎたいんだ。

更新日:2017-04-20 08:18:16

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