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小説

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Новая жизнь ~愛馬~

ユリウスを抱えて通った道をもう一度戻る。
先ほど跡をつけた靴跡はもう無くなっていた。しんしんと静かに雪が降り積もっている。

馬屋の引き戸を開け、中に入る。
葦毛の馬がいなないた。

「どうどう、待たせたなマルコー」

手袋を外し、マルコーの鼻ずらを優しく撫でてやった。
嬉しそうに顔を摺り寄せてくる年老いた馬のされるがままにさせていた。

7歳の誕生日に祖母が贈ってくれた馬。
貴族の子弟ならば乗馬は当たり前だ。アレクセイもその日から乗馬を教わった。呑み込みのいいアレクセイは見る間に習得し、マルコーの世話もほとんど彼が行った。
それは勉強の時間をすっぽかすほどだった。
そんな時はこっぴどく祖母に叱られたものだ。子どもの頃のことを思い出しながら、アレクセイはマルコーの世話を始めた。

古くなった敷草を片付け、新しいものを敷いてやる。ブラッシングを丁寧に行うと、嬉しそうに首を振り、尻尾をくるくると動かす。
マルコーの脚を持ち上げ、蹄鉄の状態を確認した。少し、いびつになっていた。
あまり歩き回らせていないようだが、直してやった方がマルコーも気持ちがいいだろうと思った。
道具類が置いてある棚から、蹄鉄とひずめを削るカンナなど必要な物をとりだし、手際よく蹄鉄を変えてやった。
14歳でこの家を出てから馬に触れることなどほとんどなかったが、それでも長年しみついた習慣は考えなくても身体が自然に動くものだ。

「どうだ、さっぱりしたか?」

アレクセイは額に汗を浮かべて、道具類を片付けながら声をかける。嬉しそうに前足で敷草をかく。

「久しぶりに乗せてくれるか」

鞍を取り出し、マルコーの体に取り付けると主人を乗せることが嬉しいようで興奮している。

「おいおい、そんなに興奮するな。さあ、静かに頼むぜ」

ひらりと跨り、馬屋を出ると雪が止んでいた。

更新日:2017-03-22 19:34:30

Еще одна история オルフェウスの窓