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まだ冷め切らない身体の火照りと甘い疼きが心地よい。
潮が引くようなこの感覚がユリウスは好きだった。シーツに身体を沈ませ、気だるいしびれのような感覚に心身とも預ける。
アレクセイの腕に抱かれると、見失っていた本来に自分を取り戻せる気がしてくる。
女であることの悦びに素直に表すことができた。
ふと目を開けると、隣のアレクセイも目を閉じて荒い呼吸に身を任せていた。亜麻色の髪が額や逞しい首筋に張り付き、拭うこともしない。

手を伸ばして、その乱れた彼の髪を直そうとした。

「ん?」

アレクセイが目を開け彼女を見た。

「どうした?」
「あなたの髪、大好き。真っすぐでサラサラできれいな色」

柔らかい彼女を引き寄せる。

「今日はゆっくりできるの?」
「ああ、たまには奥さんとおばあさまに孝行しないとな。明日の朝帰る」
「嬉しい。おばあさまも待っていらっしゃったよ、あなたが来ることを」
「おまえもだろ?」
「マルコーもね」

アレクセイの胸に顔を摺り寄せくすくすと笑った。

会話もせずお互いのぬくもりに浸っているとユリウスの身体から力が抜けていった。

「おい、服を着て寝ろ」

眠そうに眼を開けたが、トロンとした視線を向けるだけだ。

「ユリウス、そのままだと風邪をひくぞ」

ベッドの傍に置いてある椅子に掛けてある、彼女の夜着を取り、とりあえず着せた。

「ん~~・・・」

枕に顔を埋めて寝息を立て始めた。

「やれやれ、一応召使たちが入ってきてもこれなら大丈夫だな」

脱ぎ捨てた衣服を羽織りながら、眠る妻の髪に触れた。
つわりのせいで青白かったほほは、薄紅色になってきている。唇も艶を取り戻し、ふっくらとしてきた。

更新日:2017-03-22 07:27:43

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